prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「プリズナーズ」

2014年05月20日 | 映画
宣伝だと娘を誘拐された父親の怒りが暴走するのがどこまで許されるかとを問う倫理劇みたいだが、意外とミステリ仕立て、作った話に向かうと思っていたら、それがさらにそれが反転して、ずいぶん複雑な倫理劇になる。

感謝祭に始まる一週間にわたる物語というあたりで、キリスト教色が強く出てくるわけだが、さらに「フライト」「ワールズ・エンド」に続きまたまたという感じでアルコールと薬物依存と神の関わりの問題が出てくる。
ヒュー・ジャックマンの父親は実は十年間酒を辞めていたのが再発して行動にますます歯止めがかからなくなり、マリオ・ベロの母親は精神安定剤の過剰服用で寝てばかりいる。
ご丁寧にも、街の神父が完全なアル中で家で酔いつぶれており(一瞬死んでいるのかと思わせる)、その家の地下室に物語のキーになるとんでもないものがある。
娘を誘拐されたという神などいないとしか思えない事態に置かれたのに加え、アルコールや薬物により怒りに歯止めがかからなくなる。その怒りに任せて他を裁くに至るのだが、人が神に代わって人を薄弱な理由で裁くことも許されない、神から離れて獲得した自由意思が怒りや酒や薬で麻痺してしまう、だから怒りは七つの悪徳のひとつなのだといった図式が見える。

ジャックマンの自殺した父親が看守で(人を閉じ込める職業)その父親が住んでいた家が監禁の舞台になるというあたりも複雑なメタファー。

ロジャー・ディーキンスによる撮影が圧巻で、雨や雪が天の試練のように、車のヘッドライトで埋め尽くされた道路が光の川のように暗喩に富んで見せる。
(☆☆☆★★)



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プリズナーズ@ぴあ映画生活

映画『プリズナーズ』 - シネマトゥデイ

プリズナーズ [Blu-ray]
主演 ヒュー・ジャックマン
ポニーキャニオン

5月19日(月)のつぶやき

2014年05月20日 | Weblog

震災直後、当時他部署にいた現スピリッツ編集長が会社休んで復興活動に向かった映像を偶然TVで見た。彼の、仕事なんかしてられるか!との言葉に頼もしいと感じたと同時に愛社精神とか全く無いんだなとも思い、その人が此度の騒動を引き起こしたのは、これ確信犯に他ならぬ訳で、そこは評価に値する。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | RT

@bakuneTM その映像とは、NHKの「ルソンの壺」という情報番組(4月3日放映)。彼は最初から辞めるつもりでこの騒動、と言うか、問題提起をしたのかも知れない。もしそうなら、すっげー左翼活動家だよな。辞表出さなくても、たぶんクビだと思うから、今度はそっち方面で頑張って欲しい。

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | RT

「美味しんぼ」と表現の自由 - Togetterまとめ togetter.com/li/668893 @togetter_jp 環境庁の方が出版社より表現の自由に対するリテラシーが高いって、どうなってるのか。


【本棚登録】『別冊映画秘宝 実相寺昭雄研究読本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)』 booklog.jp/item/1/4800303…


今流行ってる風邪はしつこい上に喉に来るからな。ポールも大丈夫だろうか。 #daycatch


イギリスはやはりオーウェルを生んだ国ということになりますか。そのうち、トイレの中にもデータ処理して原則局部や顔を写らないようにするが、事件性があったら見ることができるようにカメラが置かれるようになるかも。#daycatch


本当に大変な人は声をあげる余裕もないのではないか。 #ss954


認知症ではなくてもやたら近所に訪問して欲しくもない物を置いていく人というのもちょっと。 #ss954


タクシンは日本でいうなら田中角栄みたいな人らしい。 #ss954


お隣のカンボジアも昔シアヌーク殿下が外遊中に国を乗っ取られたりしていたな。 #ss954