prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「レイルウェイ 運命の旅路」

2014年05月12日 | 映画
コリン・ファースは元通信兵で、降伏前に持ちだした真空管ひとつから作ったラジオで戦況を聴いて情報を捕虜内部で共有していたのが日本兵にばれて、外部とどう連携して工作を巡らしたか喋れと拷問を受けるのだが、受信だけで送信はできないと何度言っても納得せず、拷問はやまない。
ここで日本兵が自分が聞きたい情報、敵が巡らしているに違いないと決め付けている陰謀の情報だけしか聴こうとせず、相手の言うことに虚心に耳を傾けることがないとディスコミュニケーションが、ラジオという具体的な形に典型化されている。
その日本が耳をふさぎ続けていた、敵こそが知っていた日本に都合の悪い情報に通訳である日本人が初めて耳を傾けた時から、対話が始まることになる。

ラジオ同様に鉄道が膨大な苦役の上に成り立った象徴であるとともに、違う立場同士をつなぐものの象徴にもなっているのが映画的な表現として単純な実話の再現を抜いたところ。

ファースは真田広之の対決で、執拗に一人称単数で、つまり「私は」どうしたのかどう思うのか答えるよう要求して、みんなはどうしていたとか、他がこうだったからといった答え方を許さない。
実際、そういう空気に流されて、みんながやっているのだからいいやといった意思と主体の曖昧さは夙に日本的なものとして指摘されているところのものだし、実際そうだと思う。

前半の静かなイギリスの田舎の情景の描写が続いていたところに、唐突に日本兵が違和感そのものとして姿を現す悪夢感の表現が優れている。

有色人種が白人を使役している光景というのは珍しい感じで、やはり泰緬鉄道建設に駆り出されていたピエール・ブール原作の「猿の惑星」の猿は日本人のことだという説も、納得できるところもある。

真田広之扮する永瀬隆という人物が実在で、実際に和解を果たしたというのがドラマの説得力のもとになった。
映画で描ききれなかった部分を勉強しなくてはいけないところ。
(☆☆☆★★)



本ホームページ


レイルウェイ 運命の旅路@ぴあ映画生活

公式ホームページ

映画『レイルウェイ 運命の旅路』 - シネマトゥデイ

5月11日(日)のつぶやき

2014年05月12日 | Weblog

「鼻血が美味しんぼ」について議論とか前に見ておいてほしいモノ紹介 - Togetterまとめ togetter.com/li/665491


「経営計画、戦略、そんなもんないです。目標ないです」

【逆転の発想!?】ダイソー矢野社長のネガティブすぎて逆にスゴイw発言まとめ
bit.ly/1nkuw2s pic.twitter.com/hN8VD4ChJF

家畜人六号【小暮 宏】さんがリツイート | RT

「ブラックリスト」#15 「判事」 冤罪判決を出した判事専門に報復する闇の「判事」の話。なるほど、冤罪を合法的かつ相応に晴らす需要があれば供給も生まれるだろう。ピーター ハイアムズの「密殺集団」がずっと存続しているような話でもある。


冤罪を出して何の責任をとらないでいられる法の番人が超法規的に裁かれる側に立たされるのは恐ろしいには違いないが、思いしれとも思う。ドラマ=フィクションの効用です。「判事」役がLAW&ORDERの検事の一人でもあるダイアン ウィーストというキャスティングの妙。


ホームランド2 #5 Q&A 潜伏捜査から一転しての緊急逮捕から尋問を経て局面が一変するまで一気呵成の一幕物のような長丁場。机を隔てての正面きった同サイズのカットバックによる対決から、床の上に倒れ上下の関係に移ったのを見せる芝居の組み立て。


帰還兵が英雄とテロリストの間を行き来していたのから、双極性障害=躁鬱で治療を受けたヒロインが感情のコントロールができるようになったのかそうでないのかわからない揺らぎがシンクロして、フェーズが一つ変わった回。


【劣化コピー】氷の王者かと思った。「E R 」にも高齢者同性カップルの問題取り上げたエピソードあったな。   コピペ日記 :ギャル番長 壱 不思議なことに。 rekkacopy.com