prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「花のあと」

2010年04月12日 | 映画
藤沢周平原作だから、お話はしっかりしているし、美術や衣装もよくできている。
主演の北川景子は女性剣士という下手するとゲテになりかねない(女剣戟、って見世物がありましたからね)ところも格調を崩さずにこなし、上級武士の娘らしい端正な作法もしっかり見せているのだが、全体にちょっとづつ微妙に作りが弱い。

冒頭の花のアップは何度も繰り返しすぎているし、随所にはさまれる風景も、昔、双葉十三郎が昭和三十年あたりの日本映画が何かというとあまり意味のない叙情的な情景カットをはさみこむ癖を「波打病」とからかっていたのがまだ続いているみたい。
そのちょっとづつが積み重なると、結構たるくなるから、こわい。
(☆☆☆★)


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