prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「プリンセスと魔法のキス」

2010年03月25日 | 映画
ディズニー初のアフリカ系のヒロインで、舞台もニューオーリンズ、ランディ・ニューマンの音楽もジャズ調で、ワニがトランペット吹きだったりする。
おなじみのミュージカル・ナンバーも「ライオン・キング」舞台版ばりにアフリカ美術を大々的にフューチャーしている。

悪役の黒魔術師も黒人得意の原色ギラギラの扮装。
彼が歌う歌の中でドル札のことをその色からgreenと呼ぶのが、カエルの色にひっかけている。日本語吹き替えではどうなっていたのだろう。

カエルの王子とヒロインがキスすると、王子が人間に戻るのではなくヒロインがカエルになってしまうという着想は「シュレック」以来のおとぎ話の読み直しだが、魔法がどういう条件で効いてどういう条件だと解けるのかという設定があいまいなのは困ります。
あと、なんで王子をカエルに変えるのか、わざわざ執事を王子に化けさせて使うより、金がないのは一緒なのだから王子当人を魔法がらみで取り込んだ方が簡単に思えるのだけれど。執事を動かしたであろう金がない恨みを描きそびれている。

ホタルが重要なキャラクターとして出てくるのだが、乱杭歯のおそろしくガラの悪い暴れん坊なのが、日本でのイメージとあまりに違うのにびっくり。火のハエfireflyという言葉のイメージだとこうなるのか。

ディズニーとしては久方ぶりの手書きアニメ。3D-CGに慣れた目には、平面的というより様式的に写る。
(☆☆☆)


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