prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ダウト-あるカトリック学校で-」

2009年04月14日 | 映画
メリル・ストリープはやはり「マンマ・ミーア」みたいにはしゃいだ役より、こういうピリピリした神経が薄く青白い皮膚から透けて見えるような役が似合う。

フィリップ・シーモア・ホフマンの神父が少年と関係を持ったのかどうか、という一点が舞台劇的に表に出さない扱いになっていて、何の証拠もないのにストリープの校長が神父を責める場面は原理主義的でイヤだなあ、と思わせる一方で、ホフマンのぬるっとした個性とわざわざ爪が伸びているのに清潔だからいいのだと生徒たちに見せて回るあたり、いかにも気持ち悪くて何やっているのか知れないとも思わせる、多義的な解釈ができるようになっている。
もっとも、そのオフになった部分が映画だと舞台ほどは効かない、喚起力がない、という問題は残る。

どちらもキリスト教のイヤな部分を扱っているのだが、最終的には信仰に戻る印象。
(☆☆☆★)