prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のメモと、ツイッターのスクラップで出来ています。
時折、創作も載ります。

「理想の女」

2007年03月31日 | 映画
男から男へ渡り歩く女に夫人たちが後ろ指をさす一方で夫たちが嬉々としてなびいていく“上流社会”の欺瞞の描写が辛辣。
オスカー・ワイルド原作(「ウインダミア夫人の扇」)らしく、アフォリズムに富んだセリフがふんだんに語られるが、語るのが一番いい気な身分である有閑亭主たちなのが皮肉。ゴシップ欄でよくオヤジ殺しと書きたてられるスカーレット・ヨハンソンを物知らずでプライドの高い若妻役につけたキャスティングがまた皮肉。
衣装・美術・撮影が内容と対照的に優雅に精練されている。

小道具の扇の使い方、クライマックスのヨットでの人物の出入りなど、よくできた芝居そのものの組み立て。
(☆☆☆★)


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