prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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「インサイド・ディープ・スロート」

2007年03月15日 | 映画
なんともいえず、荒涼とした気分が残る。
ポルノ業界が出演者を搾取し、良識派がポルノ業界を糾弾することで政治的に利用し、言論人がまた議論してメシの種にする、といった金儲けと利用主義の連鎖ばかりが目立ち、ポルノを扱っていても色気も何もあったものではない。「ポルノはセックスではなく金儲けになった」と発言が説得力を持つ。
かつてはポルノ解禁が自由のバロメーターのような雰囲気があったのだが、今では金儲けのネタ以外の意味はないのも、なんだかつまらない。

主演のリンダ・ラブレイスがフェミニズムに乗っかって「ディープ・スロート」を非難する発言をしていたことは知っていたが、それにも飽きられて「子供と孫と一緒なのが幸せ」とすっかり老けた顔で言って、まもなく亡くなってしまう。やりきれないこと、おびただしい。

ハリー・リームズがなぜか日本で「生贄の女たち」というセミ・ポルノ(つまり売り物の巨根を見せられないのに)に出ていたことには触れられていない。いい記憶のわけはないが。

それにしても日本だとピンク映画業界出身で一般映画を作って成功している人は珍しくないが、アメリカだと宗教的禁欲主義が強いせいか垣根はおそろしく高い感じがする。



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