コロンビアの若い女が貧困からカプセルに入れた麻薬を飲み込んでニューヨークに密輸する運び屋を請け負うという苛烈な話だが、場合によっては仲間のように簡単に殺されて胃を割かれて麻薬を持っていかれるような状況の割に、親切なタクシー運転手やしっかりしたコミュニティの世話役がいたりして意外と危ない目に合わないのが、言い方は悪いがちょっと物足りない。
故郷での過酷な労働(花束を作る工場、というアイロニー)や、シケた彼氏との白けたデートなどのやりきれない感じの方がむしろ重みがある。
主役のカタリーナ・サンディノ・モレノは美人で好演。やや美人すぎるくらいで、別に稼ぎ方の誘惑がもっとあるのではないかなどと不謹慎なことを考えた。
(☆☆☆★)