prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

諸行無常

2005年05月21日 | Weblog
いきなりACアダプタが壊れたので、久しぶりに秋葉原に行く。20世紀ぎりぎり製造のMac用周辺装置など、あれだけものすごい数の電器店があっても、藁の山の中から針を探すような感じ。
いつのまにか、石丸電器のパソコン館が三階建ての小さな建物に移り、商品全般の主力をソフトに移していた。

写真は、閉鎖された古い印刷会社のドアに貼られた政治ポスター。




「明治天皇と日露大戦争」

2005年05月21日 | 映画
東京MXテレビで「明治天皇と日露大戦争」をやっているのをちらちらと見る。
1957年、「女優を妾にしたのではない、妾を女優にしたのだ」の名言(?)で知られる大蔵貢製作の新東宝映画。当時で7億のヒットになったというからすごい。

映画とすると、感心するくらい紙芝居に徹している。
嵐寛寿郎の明治天皇が戦争によって国民が苦しまないか心配なされ、水師営の会見だの「天気晴朗なれども波高し」だのいった有名な場面が何の説明もなしにご存知という感じ(事実そうだっただろうが)で並べられる。
鞍馬天狗のアラカンに実名で明治天皇をやらせたのは、当時右からも左からも大ヒンシュクだったらしいが、今みると照れぬ臆せぬ大時代ぶりがいっそ楽しい。

折りしも東京都の石原知事が鳥島に上陸して日本の領有権を主張。映画では国民が国土侵犯の危機に際し立ちあがって、ひたすら勇ましく戦う。
今じゃ各方面がうるさくて、とても無理な描き方。

人物の掘り下げだの、言い訳がましい反戦的なセリフや場面などのインテリ向けサービス一切なし。
ほとんど歌舞伎の公演。
まじめに見るもの(見てられるもの)ではない。

特撮技術まで今見ると紙芝居だが、リアルにしたら別のものになってしまう。




明治天皇と日露大戦争 - Amazon