prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「オオカミの誘惑」

2005年03月08日 | 映画
およそ格好よくない女の子(舞台挨拶で見たら可愛かったぞ)に、優男とワイルド系のいい男二人が絡む、絵にかいたような夢物語。下手するとドロドロになりそうな設定も入ってくるのだが、あくまで夢を壊そうとしない作り。その分アクセントがなくて2時間近くはキツい。

オープニングはこの監督の前作「火山高」みたいにやたら凝った映像処理でまたヴァイオレンス・タッチで行くのかと思ったら、後はおとなしくなる。かといって甘甘にも徹しきれていない。
写真は、文京シビック大ホールの一階から地下ニ階までえんえん続く行列。カン・ドンウォンは身長186とか7とかいう長身で、舞台に立っても目立つ。白の上下に上着の裏地は赤、広い藍色の襟といういでたち。
(☆☆☆)



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「シャドー・メーカーズ」 題名の影

2005年03月08日 | 重箱の隅
シャドー・メーカーズ(字幕スーパー版)

CICビクター・ビデオ

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ビデオ題名は「シャドー・メーカーズ」だが、原題は「ファットマン・アンド・リトルボーイ」。ポール・ニューマン主演の日本劇場未公開作。ファットマンとリトルボーイとは、それぞれ長崎と広島に落とされた原爆のコードネームのこと。

デブとチビとはふざけた名前だと思ってたが、その由来というと、かなり物騒。
同じ原爆とはいっても使っているのはそれぞれプルトニウムとウラン235と別物で、ウランの方はすでに実験も成功していたが、当時の技術では一発分の分量を集めるのがやっと、プルトニウムは量は集めやすいが実験する暇もなくしかも爆弾の図体が大きくて爆撃機に積めるぎりぎりの大きさだった。
あまりに大きかったため通常の方法では搭載する事が出来ず、穴を掘って爆弾を埋め、その上をB-29にまたがらせた上で原爆を吊り上げたくらい。だから後者をファットマンといい、それとの対照で前者はリトルボーイといった。

長崎の方は落とす場所もちゃんと決まっておらず、小倉にする予定もあったのが、出たとこ勝負で主に天候で決めたわけだし、つまり一発で済むのをやたらと急いで二種類の爆弾が使われた。なぜかって? そりゃあ、戦後処理用に核兵器のデータをとるためですよ。
それぞれの被害の様相を、占領軍は当時貴重だったカラーフィルムを使って記録しているのもその現れ。露骨に言えば、日本人で人体実験したってわけ。

ちなみにその記録班に「姿三四郎」「人情紙風船」「ハワイ・マレー沖海戦」のカメラマン、三村明がいた。カメラマンとしての腕とともに、アメリカで「市民ケーン」のグレッグ・トーランドの助手をつとめたりして英語が話せたから。