サムイズダート・ロシア

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悪魔的暗示

2007-10-28 | プロコ日記裏話
昨夜は台風による暴風雨のなか、銀座へ。
以前、プロコフィエフ日本滞在日記のブログに連絡をくださった
女性ピアニストの方のリサイタルにうかがったしだい。
お目当ては、プロコフィエフの4つの小品より『悪魔的暗示』Op.4-4。
これがえらくカッコよくって、目も耳も釘付けだった。

この曲は1918年7月6日、作曲家本人が帝劇で弾いた演目の一つで、
当時のパンフは「最も近代的の奔放な曲(原文ママ)」、
音楽評論家・大田黒元雄は、ひとこと「怪奇」と表現しているが、
今聞くとむしろユーモラスでスリリングで気持ちよくて素敵。
こういう即効性のカタルシスのある音楽は明快でいいな。

ちょうど今、訳しているプロコフィエフの短編小説集のなかに
ズバリ悪魔が登場するものがある。
この曲ほど躍動感のある悪魔ではないが、
ブラックな笑いを内包する点で共通するものがあり、
翻訳のイメージを膨らますうえで少々の参考になる。
そういえば、夏真っ盛りに聞きにいったコンサートでは
プロコ作曲のおしゃまな女の子の歌があって、
それもやっぱり小説に登場する女の子とダブるものがあり、
歌を聞いてから翻訳のピッチが俄然あがった。
こんなふうに同じ作者による音と文章を行きつ戻りつするなんて
あまりできない経験なので、ここは乗りかかった舟、
次は『スキタイ組曲』を聞かねば……。
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