自力整体でいきいき歩き: 狛 雅子

膝通を克服して健康登山! 団塊世代に贈るLOHAS情報です。

生き心地の良い町  7

2017-03-08 07:56:47 | 推薦図書


P.71 自殺予防因子ーその四

   「病」は市に出せ
   •どの町にも助け合いはある
   •うつ受診率が高まる理由

P.73 「病」とは、たんなる病気のみならず、家庭内のトラブルや
   事業の不振、生きていく上でのあらゆる問題を意味している。

   そして「市」というのは、マーケット、公開の場を指す。
   体調がおかしいと思ったらとにかく早めに開示せよ、
   そうすれば、この薬が効くだの、あの医者が良いだのと、
   なにかしら対処法を教えてくれる。


   (中略)同時にこの言葉には、やせ我慢をすること、
   虚勢を張ることへの戒めがこめられている。
   悩みやトラブルを隠して耐えるよりも、思い切ってさらけ出せば、
   妙案を授けてくれる者がいるかもしれないし、
   援助の手が差し伸べられるかもしれない。

   だから、取り返しのつかない事態にいたる前に
   周囲に相談せよ、との教えなのである。

   「たとえば借財したかて、
   最初のうちはなんとかなるやろと思って、黙っとりますわな。
   しかし、どんどん膨れ上がってくる。

   誰かが気付いたときには法外なことになっていて、
   助けてやりとうてもどないもできん、ということになりかねん。
   本人もつらいし、周囲も迷惑する。」

つまり、「この格言は、リスクマネジメントの発想」なのだそうです。


   
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生き心地の良い町  6

2017-03-06 08:38:51 | 推薦図書


P.66 •<極道もん>になったもんじゃ

P.67 この地域(自殺多発地域のA町)では、
   働きもせずぶらぶらしている人、遊び人、怠け者などのことを
   「極道者」と呼ぶのだという。

P.68 (A町のある高齢女性は)現在の自分の状態に-----
   働けなくなり、介助を受け、バスで送迎してもらって入浴したり  
   している、その状態に強い罪悪感を持っている


一方、自殺率が非常に低い海部町では、こんな話は皆無だそうです。
P.70 「デイケアに行くのだって、大威張り!」

それは多分、社会保障制度や年金・税金の仕組みを良く勉強して、
払うべきお金は払っているんだから、受け取る方も「自分の権利」と、
分かっている人の強みなのではないでしょうか。

出来る範囲での社会改革に努力し、実態を把握し、
問題点を理解していることの重要さを増々感じます。
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生き心地の良い町  5

2017-03-05 05:35:59 | 推薦図書


P.57 自殺予防因子ーその三

   どうせ自分なんて、と考えない
   •主体的に社会にかかわる
  

P.61 「自分のような者に政府を動かす力なない、と思いますか」
   という質問に対する、海部町と自殺多発地域A町の解答は、

   (中略)海部町では、主体的に政治に参画する人が多いという印象がある。
   自分たちが暮らす世界を自分たちの手によって良くしようという、
   基本姿勢があるように感じられる。

   その分、行政に対する注文も多く(後略)

P.62 首長選挙が盛んであり、地方の小規模な町村には珍しく、
   海部町には長期政権の歴史がない。
   健全な民主主義が根付いているといえる。
 

P.63 世の中で起きるさまざまな出来事に対し
   回答者がどれだけの影響力や行動力を持っていると感じているか、

その度合い(感覚)を、心理学の分野では「自己効力感」と呼ぶそうです。
P.63 人間が行動する際の意欲や動機づけに大きく作用する感覚(中略)
   ストレス対処能力にも関連がある

近隣のA町は、「お上頼み」の傾向が非常に強い。
その気持ちが強いほど政府に対する無力感が増す・・・・
この辺に、A町と海部町の<自殺率の有意差>の理由が見えています。





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生き心地の良い町  4

2017-03-04 08:55:40 | 推薦図書


P.50 自殺予防因子ーその二

   人物本位主義をつらぬく
   •年長者だからと言って威張らない

   ここでいう人物本位主義とは、
   職業上の地位や学歴、家柄や財力などにとらわれることなく、
   その人の問題解決能力や人柄を見て評価することをさしている。


P.51 地域住民の尊敬を集める人物にある種の共通点が見られた

   (中略)相手が私の質問の本質を誤らずにとらまえて
   実に無駄のない答えを返してくれていることにきづく。

   周囲がよく見渡せていて偏りがないことも、
   彼らに共通していた点である。


おぉ・・・では私は??
とてもじゃないけれど、色々な会話の本質を的確に捉えて、、、なんて、
できていないと思います。

でも、分かった以上、このように努力しようと思います。
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生き心地の良い町  3

2017-03-03 05:25:10 | 図書メモ


P.37 自殺予防因子ーその一

   いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい


例えとして、「赤い羽根募金」のことが出ています。
P.39 「海部町では赤い羽根募金が集まらんのです。」
P.40 隣接する他の町村では(中略)みんながほぼ同額の募金を・・・・

私の実家では、町会からこれが回ってくると、
母は機械的に署名して、封筒にお金を入れていました。
理由は、

   「だって、ご近所は全員出しているもん」


いや、母の名誉のために、
<ご近所が全員出していなくても、母は出したかも>
という、可能性は記しておきましょう。


私などは、その募金の使い道とか、集め方などに疑問を持っていて、
もっと別の面で色々な寄付やボランティア活動をしていますから、
赤い羽根募金はパス!です。

しかし、日本の狭い社会では、
<ヒト(ご近所)と違うこと>をすると、煙ったがられることがあります。
これを「生き難さ」というのだと思います。

モノや考え方に関するダイヴァーシティ(多様性)が認められないところは、
住みにくいだろうな、と思います。
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生き心地の良い町  2

2017-03-02 19:14:11 | 推薦図書


著者の専門は<健康マネジメント研究>。
住みやすそうで、美しく素敵な街は、各地にあるように見えて、
実は同じ地域の、隣接している町でも、自殺率には大きな差があるようです。

その理由を、辛抱強いフィールド調査で見極めていくのが
「公衆精神衛生」なのだと思います。

で、手っ取り早く結論だけ書き写すと、(目次より)
P.37 自殺予防因子ーその一

   いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい
   •赤い羽根募金が集まらない。
   •例外だらけの相互扶助組織

P.50 自殺予防因子ーその二

   人物本位主義をつらぬく
   •年長者だからと言って威張らない


P.57 自殺予防因子ーその三

   どうせ自分なんて、と考えない
   •主体的に社会にかかわる
   •<極道もん>になったもんじゃ


P.71 自殺予防因子ーその四

   「病」は市に出せ
   •どの町にも助け合いはある
   •うつ受診率が高まる理由



P.83 自殺予防因子ーその五

   ゆるやかにつながる
   •人間関係が固定していない
  
この本を読み終わってみると、これらの言葉だけでイメージできますが、
最初は何のことやら?ですね。
明日から、少しだけ解説してみます。
 
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生き心地の良い町  2013/7 岡 檀・著

2017-03-01 05:59:20 | 推薦図書


シェア奥沢の本棚で見つけた一冊。
一見地味な本に見えましたが、とても面白い内容でした。

副題は、 この自殺率の低さには理由がある

 
著者は大学の保健看護学部講師。博士号のテーマは、

  「日本の自殺稀少地域における自殺予防因子の研究」


最初は、「ふ~ん、こういうアプローチがあるんだわねぇ」と思いつつ、
読み進むうちに、コトの重大さに気付かされます。

表題の「生き心地の良い町」は徳島県海部町
(2006年の町村合併により現在は海陽町の一部)
この町が、全国でも極めて自殺率の低い「自殺”最”稀少地域」だそうです。

「それは何故か?」という疑問が、
<地域の社会文化的特性が住民の精神衛生にあたえる影響>の研究に繋がり、
素晴らしい事実が明らかになった!というわけです。

これを知ることは、海部町住民ではない、私たち庶民にとっても
自分が住む街を<生き心地の良い町>に変えていくための知恵を貰えるわけです。
ご一読をお勧めします。

 
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