P.128 海部町の人々は、人間の「性」とか「業」をよく知る人々である。
人間、誰でも若いうちから「全て立派」でいられる筈がないです。
私なんて、今思うと「赤面のいたり」のことだらけ。
社会に出て、色々な人から指摘されて、反省して、努力して、、、
やっとのことで一人前になっていく・・・・のが常でしょう。
でも、「一度の過ち」を許さない人たち、風土、慣習・・・・
そういうところに身を置くと、生きていくのは大変そう。
P.114
一度目はこらえたれ
P.116 周囲に迷惑をかけて当人に対し、
「一度目は許す」ことによって汚名返上の余地を残し、
やり直しのチャンスを与えた点にこそ注目すべきではないか。
ひとりの人間の長い人生において、
一時の行為だけで判断を下し、
評価を固めてしまうことを避けようとする意識のあらわれ・・・
「一度目は許す」という理念を共有するコミュニティの
対極にあると思われるのが、
ひとたび好ましからぬ評価を受けたが最後、
「孫子の代まで」ついて回るという恐怖心を洗剤させている
コミュニティである。
社会学の世界では、集団が個人にネガティブな評価を与え、
それを固着させる状態を「
スティグマ(烙印)」と呼ぶ。
スティグマに関する研究には国の内外に厚い蓄積があるが、
ほぼ確立した結論として、
スティグマが人間心理にあたえる悪影響を指摘している。
感覚的には知っていた事柄でも、こういった文章を読むと、
「な~るほどねぇ」と納得です。