北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北方領土隣接地域の現実

2012-07-24 23:45:23 | Weblog
 暑い東京を一日かけて釧根の要望活動をしてきました。

 どこの建物へ行っても冷房は今ひとつ効いていなくて、心地よい涼しさを寸止めしているような感じ。

 関東地方も節電モードに突入していて、霞ヶ関でもエレベーターを間引きしたり、明かりを消したりと省エネムード満点は良いのですが、じわりとくる熱風にはさすがに閉口しました。

 この時期の東京は、一分一秒たりともいたくないところに感じますが、もうすっかり体は釧路仕様になってしまったようです。


    ※    ※    ※    ※ 

 
 さて、今日も根室管内の首長の皆さんと共に、要望活動をご一緒しました。
 
 根室管内の市町村とは、根室市、別海町、中標津町、標津町、羅臼町の一市四町のことで、実はこの市町村はそっくりそのまま、「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」という法律の対象地域となっています。

 この法律は、北方領土問題がなかなか進展を見せないなかにあって、「北方領土問題その他北方地域に関する諸問題についての国民世論の啓発、交流等事業の推進、北方地域元居住者に対する援護等の措置の充実並びに北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画の策定及びその実施の推進を図る等のために必要な特別の措置を定めることにより、北方領土問題及びこれに関連する諸問題の解決の促進を図り、ひいては北方領土の早期返還を実現して我が国とロシア連邦との間の平和条約を締結し、両国の友好関係を真に安定した基礎の上に発展させることに資すること」を目的とすると定められています。

 つまり、北方領土の対岸であり日本側ではそれらの自治体の振興策や北方領土問題の啓発活動を行うという定めがあるわけです。

 ところがいろいろな方の話を聞くと、どうもこの振興策が政府内でもなかなか支持が広がらないのだ、と言います。

 関係する地域が限られているのと、北海道という大きな島の東部に限られていて、沖縄のようにはっきりとイメージ出来ない、ということ、さらには、この地域を振興させなくてはならない、と言う強いメッセージを端的に説明することになかなか苦労している、という状況が見えてきます。

 国交省の北海道局を中心に、この地域の振興については政府内で要望作業を行ってくれていますが、これを後押しするパワー溢れる説明がうまくできないものでしょうか。

 「この地域振興をやらないと何が困るのか」「それをすると、何がどう変わるのか」という具体的な説明に説得力をもたせるような工夫は何でしょうか。


 根室市の長谷川市長さんは、「かつては北方領土返還運動と言えば、一声で三千人くらい集まったものです。それが最近では、千人を集めるのがやっとになりました。運動に参加してもどうせ帰って来やしない、という諦めとともに、やはり元島民という方の高齢化と減少がそうした変化をもたらしていると思います」とため息をつきます。

 知恵が出ない、と言う方は、まずは根室の納沙布岬を訪れてみて、現場の風を感じ取ってみてはいかがでしょうか。

 国境を接する町の現実は文字や口ではなかなか説明のできるものではありません。

 情報発信にも若くて新しい知恵が必要かもしれません。
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