毎年この時期になると、古巣の北海道開発局から研修講師の依頼がいあります。
研修対象は新任の事務所課長級と呼ばれる方たちで、およそ初めて管理職と言う立場に立った皆さんです。
私のテーマは、北海道開発局と地方自治体との関係。
国の職員は与えられた仕事を淡々とこなしていればそれが仕事だと思っている方が案外多くて、自分たちの仕事の先に国民の姿や、受益対象の地方自治体の姿が見えているでしょうか。
私の講義は、国の立場から地方自治体を見る一方で、地方自治体の側から北海道開発局、国の機関はどう見えているか、を気づかせて考えることがテーマです。
そうやって初めて、実は自分自身も国家公務員と言う国の職員でありながら、個人としてはその地方自治体に住みそこの行政システムにお世話になっている一住民であるということに気がつくのです。
国家公務員として国に奉仕するのと同じくらい、一住民としてはそこの地方自治体に奉仕・貢献して住みよい暮らしを実現すべきなのですが、しばしば仕事だけに偏ってしまい、住民としての自覚を失っていることが多いのです。
そんなわけで、地方自治体のことを考えてもらうことで世間の感覚に目を広げてもらおうという趣旨の研修ですが、目からウロコが落ちたように感じる方も多く、案外好評をいただいています。
その研修の依頼が今年もきたのですが、中身を読むと6月中旬の研修では受講生が48名で、全道各地から集まることになっています。
『講義中は講師もマスク着用をお願いします』と書かれているということは、コロナ対策を十分に行ったうえで本当に一堂に集めてやるのだな、と感じました。
ちょっと別件があり研修の担当者に電話をして話をした中で、「今年は受講者を集めて研修がやれるんですね」と言うと、「いえ、実は…」と声のトーンが変わりました。
「一応本来の形での講師依頼なのですが、今まさに進め方を内部で検討していまして、どうやら小松さんの講師の時は今の緊急事態宣言が延長される期間に入るのではないか、と予想しています。そのため、当日はリモートでの講義になる予想です」
「あらら、そうなんだ。でも考えたそうですよね。このために公共交通を利用したり普段会っていない人に接触するというのは避けるべきですね」
実際の講義は、私が一応研修室へ向かって、そこでただ一人カメラに向かってお話をし、資料は画面上で共有するということになりそうです。
まあリモートでの会合にも慣れてはきたのですが、受講者の側にどれくらい熱を伝えることができるかどうかは講師の側の力量が試されます。
さて、少しでも楽しく明るい研修を目指すことにいたしましょう。
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