妹の通夜、告別式、火葬までが滞りなく終りました。
手稲の山に囲まれた施設のなかで妹は肉体から解き放たれて天の世界に旅立ちました。
昨日の通夜の前には近しい親族で遺体の体をきれいにする「湯灌」をすることになっていました。
実は私こと、身内のお葬式は母方の祖父を見送った40年ぶりのことで、またその頃は若くて湯灌などに触れなかったので初めての経験でした。
今回お世話になった葬祭場ではもちろん外部スタッフの力を借りて湯灌が行われたのですが、なんとそこは組み立て式の浴槽と温水を控室に持ち込んで、遺体をお風呂に入れてくれました。
遺体の体をタオルでくるんだうえで、親族にはタオルから出ている手や足を洗わせてくれて、気が済んだところでその後はプロの手によって手際よく体がきれいにされ行きました。
布団で目隠しをして遺体にきれいに旅立ちの装束を整えてくれて、最後に手甲鉄鋼と脚絆はまた親族の手によって身に付けさせてくれるなど、遺族の気持ちを汲んだ丁寧な仕事に一同感服です。
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通夜に飾られた妹の遺影は、ある会合の時にビールを手にして微笑んでいる写真でした。
「ビールが映った遺影は珍しいね」というと旦那さんは、「〇〇(妹の事)さんはビールが大好きでしたからね」と、これが一番気に入った写真なのだ、と。
確かにそういうところがあったなあ、と妹の姿を思い出しましたが、なにしろ旦那さんと結婚してからは旦那さんとの密な暮らしがあったわけでそちらの方が日ごろの様子ははるかに知っているわけです。
兄弟なんて本当に子どもの時の一時の在り様なんだなあ、と感じ入りました。
妹はダイビングも大好きで、後からライセンスを取った旦那さんと海外にも何十回と出かけたと聞いています。
そこでお寺さんの戒名には「海」の一文字をいれてくれました。
ダイビングって中性浮力と言って沈む力と浮く力が釣り合うと、水の中のある一艇の深さに漂っていられます。
海の底の様子を一定の高さでずっと見ていられるのって魂が体から抜けて上から自分を見ているのと同じようだな、と思ったものです。
きっとそんな風にしてふわふわと我々の事を見ているのかな。
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今日は朝から告別式が行われ、その後火葬場へ移動して火葬が施されました。
再び斎場に戻ってきてからは初七日の繰り上げ法要が営まれ、一連の儀式を終えました。
老いた両親にはまさか自分の娘を見送ることになるとは思ってもいなかったでしょうから、その姿も涙を誘います。
この間、多くの皆様から慰めと追悼のお言葉を頂戴し、改めて感謝申し上げます。
お一人お一人にお礼を述べることはかないませんが、心情をお察しくださり失礼の段、お許しくださいませ。 合掌
楽しかった
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