宗谷管内で様々な分野で活躍されている方へのインタビュー記事を私の職場のホームページに掲載しています。
今回は稚内で酪農作業の草刈りなどを分業で受託するコントラクター事業を立ち上げ、それ以外にも稚内珪藻土の販売などを行い、今後は広大な敷地で風力発電にも取り組もうとしている(有)稚内グリーンファクトリー社長の渡辺義範さんとの対談です。
良く話を聞くと渡辺さんと私は同い年生まれ。ちょっと強面な感じのする渡辺さんですが、実はとっても気さくで優しい方でした。
◆
さて酪農は規模が大型化するにしたがって労働量が増大してきたのですが、それに連れて作業工程を分業するようになってきました。
酪農作業は①自給粗飼料(牧草)の栽培・収穫、②飼料の飼養管理、③搾乳、④牛の哺乳・育成などの工程からなりますが、このうち①の牧草栽培・収穫などを受託して行うのがコントラクターというサービスです。
各戸が一家に一台、巨大なトラクターや農業機械を所有するよりも、機械を所有して収穫作業を効率的に行えればよいので、それを担うのがコントラクターで、それだけに採草の時期は忙しく、全道各地からの依頼を受けているそうです。
酪農ヘルパーも増えていますし、栄養のある配合飼料をつくるのにはTMRというサービスも登場しました。
コントラクターは、地域の酪農を支える縁の下の力持ちとしてその役割が増えています。
◆
また事業の性格は全く異なりますが、渡辺さんの所有地には珪藻土の採れる山があって、そこから稚内珪藻土を採取してこれを販売しています。
珪藻土自身はこの地域ならばそこここで採れるのですが、これを本州にまで送り込んでビジネスにするには、稚内港が近いことがポイントなのだと渡辺さんは言います。
「稚内珪藻土は湿度を調節する性能が高いので大手の建材メーカーがお得意さんとして買ってくれているのですが、これが遠いところだったら輸送代がかかって採算が合いません。稚内港があってその港に近いところで採れるというのがラッキーでした」
渡辺さんはさらに所有している山を活かして、大手の発電会社と共同出資した天北エナジーという会社で風力発電もする計画を進めています。
多角経営の企業家というイメージがありますが、渡辺さんにそういうと彼は笑いながら、「いえいえ、私のメインの仕事はあくまでも農業です。ただ地域の資源が活用されて雇用が増えて地域が賑やかになればいいな、とは思います。国鉄天北線があったときはこの増幌地区も賑やかだったのですがねえ」と言います。
地域の振興と発展に力を尽くしている方たちへのインタビューは、お話を聞いていてとても楽しい仕事です。
【地域で活躍している方たち】 http://www.wk.hkd.mlit.go.jp/chitai/taidan/pdf/h27/150820_greenfactory.pdf
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます