先週行ってきた東北旅行。
お土産は東北各地のお酒や地域の産物ですが、両親には南部せんべいの詰め合わせを買ってきました。
南部せんべいは八戸藩で作られた非常食で、その由来には諸説あるようですが基本形は小麦粉を水で練って円形の型に入れて固焼きするというタイプ。
通常のスーパーではゴマや落花生が入っているものを良く見かけますが、八戸駅で売られたいたものはなんと十三種類ものせんべい。
定番の黒ゴマと落花生はもちろん、玉ねぎ、かぼちゃ、リンゴにイカ、果ては牛乳や納豆などの入ったせんべいもあります。
「伝統の南部せんべい」で売り続けるのでも良さそうですが、その伝統を墨守するのにとどまらず、新しい試みを行っているところに感心しました。
この中のどれかが新しい時代の南部せんべいとして定着してゆくでしょうか。
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娘が帰省していて、「なにかお菓子はない?」というので、買いだめてあったお菓子を見せたところどうもピンとこない様子。
どうやら好みのお菓子の趣味嗜好が我々世代とは合わないよう。
考えてみれば、親の実家を訪ねると薦められるのは昔のお菓子が多くて、「これ、美味しいんだよ」と言われてもちょっとピンとこないことがあるのですが、まさにそれと同じことが我々の世代と子供の世代の間にもあるのかもしれません。
そういえば見なくなったお菓子も多いですね。お菓子もどんどん変化したり新しいお菓子が登場していく中で、我々の記憶の中にあるお菓子の姿は過去の遺物になっているのかもしれません。
お菓子も新しい味にどんどん挑戦しないと時代について行けないんですね。
製品にもよりますが、お菓子は「直球」としての本来の伝統の味は決して捨てず、並行して今流の味のも出す「変化球」も出すのが理想ですね。
もっとも私は、出身の北見の老舗菓子店「清月」と「大丸」のお菓子は、変化球を出さずに従来通りでいてほしいと思っています。菓子店組合の力が強く「柳月」や「六花亭」「千秋庵」のような道内チェーン菓子店を出店させない北見ですが、イオンやトライアルの進出で駅前が寂れようとも老舗菓子店は永久であってほしい。特に「清月」のクリーム入りバウムクーヘン「蝦夷めぐり」と皇室献上品にもなった薄荷入り練り羊羹の「薄荷羊羹」、「大丸」の鮭をかたどったこしあん入り饅頭の「ほっちゃれ」は、他の味など出さずそのままで。