今日は室蘭方面への日帰り出張でした。
メインは久しぶりの青山剛室蘭市長との面談。
いただいた名刺に不思議な絵が描かれているので「この絵は何ですか?」と訊くと、「室蘭市の新しいブランドマークなんです」とのこと。
令和4年の今年が室蘭市開港150年・市制施行100年の記念の年であることから、新しいまちのイメージを発信するために新たなブランドマークをつくったのだそう。
市民にアンケートで室蘭市の資源は何か、と問うたところ、「白鳥大橋、室蘭焼き鳥、地球岬」の三つが選ばれたのだそうで、今回はこれらのコンテンツを描いてデザインしたブランドマークができました。
地球岬が焼き鳥に負けたのか(笑)、と内心思いましたが、これが今の室蘭の市民イメージなのでしょう。
こういう動きも面白いものですね。
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また私の関心ごとである、人口減少問題についても意見を求めました。
すると青山市長は「社会的現象の一つに企業活動が縮小して地方に人間が担当する事務仕事が減っていることを課題に思います」と言います。
その例として、北海道内のNHKの地方放送局の再編の問題を取り上げられました。
北海道のNHKは現在、札幌の拠点局のほかに、旭川、函館、帯広、室蘭、北見、釧路の七つの放送局があります。
しかしこれを2022年度に、札幌と室蘭を統合して「道央エリア」に、また釧路と帯広を統合して「道東エリア」に、旭川と北見を統合して「道北・オホーツクエリア」に、そして函館は従来通りの「道南エリア」という、7つの放送局を4つのエリアに統合する案を示しています。
道東、道南の4エリアに再編。これまで夕方のローカルニュースは7局から各地域に向けて5分ずつ放送していたのが、室蘭、北見、釧路はなくなり、四つのエリアから15分に拡大して放送になります。
当然人員も体制も減少が予想されるわけで、減らされる地域の首長さんとしてはたまりません。
青山市長も釧路の蝦名市長、北見の辻市長とともにNHKに対して反対の意思を示しているところですが、こうした企業の再編と集中が地方から仕事を奪っているのではないか、というのが青山市長の意見です。
その結果、これまで7つの放送局にその地域向けに5分の地元情報を届ける放送枠があったのですが、これらがなくなってしまうのも残念だと言います。
「もっとも、『室蘭は札幌と統合されれば胆振・日高の情報が札幌の住民に届けられるのだから得になるのではないか』と言う意見もあって、痛しかゆしではあるのですが」とちょっと苦笑い。
いずれにしても、このような業務の効率化が地方の独自色をどんどん薄めてしまい、都会化してしまうということを「時代の流れ」と仕方なく受け入れざるを得ないのか、そんななかでも地方の主張をどのようにとりいれてもらおうとするのか。
人口減少によって失われるのは多様性ということなのです。
「いや、まさに小松さんが言う通りですよ。昨日も銭湯へ行ったら市民のおじさんから『市長、やっぱり人口減少対策だわ』と言われたばかりなんですよ」
これからもあちこちの自治体の首長さんや担当者の声を聞いて行きたいものです。