北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

年賀状づくりの思い出

2006-12-16 23:43:26 | Weblog
 寒いけれど、天気は上々。まちはクリスマスモードです。 

【年賀状の思い出】
 そろそろ年賀状の製作に忙しい頃ではないでしょうか。

 私の場合は、子供の時からオリジナル年賀状にこだわっていて、中学校から高校にかけては木版画で裏面を作り、大人になってからはプリントゴッコに熱中しました。

 版画には、凸版画、凹版画、平版画、そして孔版画の四種類があります。

 イモ版や木版画は凸版画の一種。表面を削ったところにはインクが乗らず、残した表面に色がついて絵になって現れるものです。

 版を色ごとにいくつにも分けて何回も重ね印刷をすると、色彩感あふれる素晴らしい絵ができあがりますが、浮世絵はその典型的な例です。

 浮世絵まで技術が極められると、一つの絵は、絵描きと彫り師と刷り師というそれぞれ別の職能集団の合作なのだそうですよ。歌舞伎役者の髪の一本一本の表現などはすばらしいものがありますね。

 凹版画というのは、銅板などに傷を付けて、そこにインクを染み込ませ、表面のインクを拭き取った後にプレスをかけてインクを紙に転写する手法です。直接銅版に傷を付ける場合もあれば、一度耐食性のあるコーティングをかけて、そのコーティング部分に絵を描いてコーティングの剥がれたところをつくってから酸などで腐食させる間接的な手法もあります。

 孔版画というのは、版に穴を開け、穴の開いた部分にインクが通り、下の紙に刷られるという方法で、ステンシル、シルクスクリーンなどがありますが、プリントゴッコも小さいながら立派な孔版画の一種なのです。

 プリントゴッコは製版の時に、カーボンコピーで原稿を作り、それに紙の原版を重ね、昔のカメラのフラッシュのような電球をピカッと光らせることで、原稿のカーボンを原版に焼き付けて、そこにインクの通る穴を開けるという仕組みになっています。立派な写真製版技術と言っても良いでしょう。

 実際は、印刷の際に版を重ねて多色刷りをしようと思うと、年賀状を何回も乾かしながら刷るので失敗も多く、部屋中が乾燥中の葉書で一杯になり大変な作業でした。

 それが今ではパソコンに取って代わられ、たった一回で多色による印刷ができあがるようになったのですから技術の進歩にはすさまじいものがあります。

 技術は進歩したものの、味わいという点では昔ながらの版画に軍配があがりますね。年賀状とは別に趣味としての版画をやりたいものです。

 だいぶ昔の頃ですが、プリントゴッコでジョーク混じりの少しおちゃらけた年賀状を作り、上司にも友達にもそれで出したところ、ある上司から「こままさ君、年賀状というものは、あまりおふざけを交えない方が良いよ。こういうものは真面目に取り組んだ方が良い」と言われました。

 親しき仲にも礼儀あり。その事以来、年に一度の挨拶として真面目に今を伝えられるように気をつけるようになりました。

 こういう助言をしてくださる先輩の存在はありがたいものです。

    *   *   *   * 

 さて、今日は○回目の結婚記念日。子供を置いて、妻と二人きりで映画を観てまちを歩き、レストランで食事。

 年に一度の贅沢ですが、何気ない一日に思い出を作っておくことは大事。日々を漫然と過ごさないためにも。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 厳中に慈を存すべし | トップ | 漢字の文化を考える »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事