コロナ蔓延が穏やかになり様々な規制も緩くなっています。
そろそろ年末も近いという事で、改めて各方面へ赴いていろいろな人に会うようになりました。
今日会った建設系公務員のAさんからは、「LiDARスキャナ」を使って地形や周囲の情報を瞬時に3Dで把握するという最新の方法を紹介されました。
「LiDAR」というのは、「Light Detection and Ranging」の略で、意味は「光検出と測距」ということ。
つまりは、レーザー光を利用して離れた物体の距離を測り、それらを「点群データ」として取得することで、周囲の立体構造がどのような状況なのかを取得するというのです。
簡易なものは、昨年10月に発売された「iPhone 12 Pro」と、11月に発売された「iPhone 12 Pro Max」の背面カメラ部にはその「LiDAR(ライダー)スキャナ」が搭載されているとのこと。
Aさんは、「ちょっと見ていてくださいよ」とiPhone12Proのスキャナを操作して、今いる部屋をぐるりと撮影すると、画面上には室内の立体構造が映し出されています。
「こんなことが簡単にできるんですか」
「はい、iPhoneだとまだおもちゃレベルですが、この原理で高価ですが精緻な機械を使えば、瞬時に周辺の立体構造が把握できます」
「すごいですね」
「身近なところでは、不動産屋さんが部屋の内部を3Dデータを作って、来客がどんな部屋の内部なのかを立体的に見えるようなサービスを作っているところがあります。
で、これを進化させれば災害の現場などで、どれくらいの土が削れたかやどれくらいの量の土が崩れてきたかといったボリューム感をドローンを一回飛ばすだけで測れるのではないか、という取り組みが始まっています。
災害などはすぐに被害状況や復旧のための作業量や予算を把握したいのですが、測量に手間取ったりしていると時間はどんどん経ってゆきます。それを一度のドローンからの情報で図面化したりそこから予算の策定までを瞬時に行えれば、非常に効率的に物事が進んでゆくというわけです」
「これからの現場の状況把握は非常に効率的になりそうですね」
「はい、ただそのためには、データ処理やソフトの使い方に精通したその道のスペシャリストを養成する必要があります。また機械やソフトの高度化のスピードも速くて、一つの機械やソフトに決めてもすぐにそれよりも高性能の技術が安価に登場するということもあって、なかなか一つに絞り切れないのも悩みです。
今はいくつかのモデル的な事務所やモデル的な工事を設定して、試みを繰り返す中で我々の日常の技術として実装できるかどうかを試しているところです」
技術の進歩で、予算積算の根拠もデータから一発で作れるようなことになれば、今よりもずっと省力化できることは疑いがありません。
「デジタル化が遅れている!」という表現の裏側には技術だけではなく、それを受け入れて社会的に認める法律や制度、国民のコンセンサスが必用で、実は遅れているのは、デジタル化を受け入れる心根と覚悟ができていないせいではないか、と思うこともしばしばです。
技術進歩と一歩進める覚悟、両方が必用です。
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それにしても「情報は人」ということを改めて感じます。
いくらネットで見知ったつもりになっても、人に会う事で気づかされることの多さを痛感します。
やはり現場に立って人に会うことは情報収集の一番の近道です。
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