本日も宗谷管内の挨拶回り。
途中で稚内へ立ち寄ったりしながらも今日のお宿は豊富町の川島旅館。
こちらの若女将はもともと札幌でまちづくりや造園のコンサルタント会社に勤めていたという異色の経歴で、こちらへ嫁ぐ前から知っている方でした。
数年前に大規模リニューアルをして、洋風な感じのつくりになりましたがとても特色ある建築になっています。
階段下には子供用の秘密基地があって、見慣れた絵本なども置いてあります。
温泉は相変わらず石油臭がぷんぷんしますが、まさにこれがアトピー性皮膚炎に効果的だというので、川島旅館に限らず豊富温泉への湯治をするお客さんも多いのです。
団らん室に置かれていた雑誌には「この湯のために幾千里」という特集でこちらの川島旅館が紹介されていましたが、さもありなん、ここのお湯でアトピーの苦しみから抜け出せた、という人が何人もいるのですから。
食事の後に若女将を捕まえて少し世間話に付き合ってもらいました。
最近では、コロナ禍のなかで、今は湯治と観光が半々くらいであとは少しのビジネス客と言う割合なんだそう。
また、こちらにはご主人んのお母さまで、数年前に亡くなられた名物女将がおられたのですが、「もう私の仕事はお客様と飲むことだから。後のことはあなたたちの時代だと思って自由にやってくださいね、と言われたけれど、さてどうしたものかと悩む日々です」とも。
また、「お客様にはたくさん来ていただいてありがたいです。後は家で作っているフレーバーバターですが全国の物産展が軒並み中止になっているのが痛いです」とのこと。
コロナを恐れる潮目もそろそろ変わる頃だと思うので、コロナが明けるまで頑張って欲しいものです。
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若女将が、「今日の温泉の匂いは薄くありませんでしたか?」と訊いて来るので、「え?どうして?」と返すと、「石油成分の濃さって結構変動するんです。遠くで発生する地震でも変化して、地震の前には薄くなって地震が起きると濃くなるという事もありました」とのこと。
地震の発生場所はここに近いかどうかはあまり関係がないようで、それもまた地下の水脈の不思議かもしれません。
稚内の奥座敷、豊富温泉は唯一無二のお湯なのです。
【男子浴室の様子:若女将から撮影の許可はいただきました】