年度変わりの人事異動もそろそろ落ち着くころと、道内全域の挨拶回りを始めました。
今日は小樽市内を中心に走り回りましたが、お昼はJR南小樽駅の真ん前にあるお蕎麦屋さん「南樽砂場」で名物のニシン蕎麦をいただきました。
「砂場」というのは大阪発祥の蕎麦店の系列で、「藪」「更科」とともに"のれん御三家"と言われている一大勢力なのですが、こちらもその一派なのかしらん。
砂場という名前は、大阪城の資材置き場だった砂場に由来すると言われていますが、諸説あって確信はありません。
店内は狭いながらも建物全体が醸し出すレトロな歴史の趣に浸れます。
昭和も長かったけれど、昭和三十年代あたりの雰囲気に感じられますね。
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「ニシン蕎麦、暖かいので」と通ぶって注文すると、「更科にしますか、ちょっと太めの田舎にしますか?」と面の種類を訊かれます。
通なら始めから面の種類も含めた注文をしていましたね(笑)。
私はやはり蕎麦の風味を存分に味わいたいので「田舎で」ということになります。
待つこと十分で、じゃじゃん! 大きなニシンの甘辛煮の乗ったニシン蕎麦が出てきました。
汁を一口飲んでみると、とても甘く仕上げてあります。自分じゃここまで甘い汁はなかなか作る気になれません。
蕎麦の面は黒っぽくて太くて、幅に多少の乱れのあるあたりいかにも手打ち蕎麦という感じが伝わります。
ニシンの甘辛煮はちょっと固い感じでしたがこれもご愛敬。
小樽の昭和レトロな店内で、ニシン蕎麦を食べるというのは観光地としての魅力は満点です。
小樽観光なら寿司というのが定番っぽくなっていますが、歴史ある小樽の味を風景とともに楽しめるというのは、小樽の観光の懐の深いところ。
ありきたりな小樽観光に飽きたら、ちょっとディープに入り込んでみてほしいところです。