枝幸町に住む知人と会って、地域のいろいろな経済状況について話を聞かせてもらいました。
面白かったのは枝幸町のふるさと納税の話。
「枝幸だったらふるさと納税の返礼品にカニなんか大人気なんじゃないですか」
「いやあ、もう殺到して大変だったそうですよ」
「やっぱり!すごいなあ」
「ふるさと納税も返礼品を用意しなくちゃいけないので、最初は受け入れ枠が五千万円でした。そうしたら二週間くらいで目標の額が集まってしまったそう。寄付してくれた人たちが返礼品として求めるのはなんといってもカニが多くて、『こりゃ大変だ』というので、町内の水産会社各社に頼んで、目標額を二億円まで引き上げたんです」
「ほー」
「ところが引き揚げた目標額の二億円も一ヶ月半くらいで達成してしまって、カニはもう打ち止めだそうですよ。枝幸町のふるさと納税のホームページを見てみてください。枝幸のカニはみんな"品切れ"になってますから(笑)」
「すごい!やっぱり枝幸のカニのネームバリューってすごいんですねえ」
「はい、私たちも夏にカニ祭りというイベントをやって、カニと枝幸を結びつけるようとしていますが、このイベントのために内地からキャンピングカーで来る人が多いのにびっくりしています」
「見ました、見ました。キャンピングカーの見本市なのかと思うくらい、駐車場にはキャンピングカーがずらりと並んでいて唖然としました。聞くと、毎年参加している人が多いし、内地のそれも関西方面からもたくさんきているのに驚きました」
「我々も、夏のイベントは皆遊びに来る程度のことだ、と思っていましたが、実は案外枝幸のカニも知られているんだなと思いましたよ」
ネームバリューの通った産物がある自治体は、ふるさと納税をしてもらううえで、返礼品として非常に強い武器があるということです。
観光ならば、遠いとか運賃が高いといったハードルをなかなか越えられませんが、ネットのサイトで見てお金を寄付してくれるなんてなんと楽チンなことでしょう。
寄付してくれる人には、他の人を紹介してくれればそれに対するキックバックもあっても良いかもしれません。
まさに知恵と才覚一つで、自治体として名を大いに高らしめることも可能で、それは莫大な収入を地域にもたらすことにもつながります。
知恵を絞ろう、考えよう、行動しよう、これは戦いなのです。