北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

「手打ち蕎麦 こはし」さんのこと

2007-08-04 23:33:23 | 蕎麦打ち
 「明日の午後に蕎麦をゴチになりたいな~」というおやじの会のメンバーからメールをもらいました。

 「それじゃあ蕎麦を打つことにしてそば粉を入手しなくては」と、何軒かの蕎麦やさんに電話。ところが3軒ほど掛けたもののどこも電話に出てくれません。

 仕方がなく札幌市内の蕎麦屋さんを食べ物系のネットで調べてみたところ、中央区の卸売市場の近くに「こはし」というお蕎麦屋さんを見つけました。

 (卸売市場の小橋さん・・・)と、ある種の予感があったのですが、電話をしてみると「粉は今から挽くのに一時間かかりますが、1kgを1500円でお売りしますよ」とのこと。そこでうちの奥さんと粉を買いに行くついでにお昼を食べに行きました。

  

   

 着いたお店は一軒家を改装した風で、靴を脱いで上がるときれいな庭を見晴らすことのできる洒落た室内です。

  

 かき揚げ蕎麦と京都賀茂なす冷やがけ蕎麦を注文してから、「ご主人はどういう方ですか?」と店の方に伺うと、「元々はサラリーマンですけど、手打ち蕎麦愛好会で蕎麦打ちを練習して、素人蕎麦打ちで4段を取りまして・・・」とのこと。

 やっぱり!

 実はこのご主人の小橋さんという方は、北海道蕎麦研究会や札幌手打ち蕎麦愛好会で何年も一緒に蕎麦を打ち、いろいろとご指導を受けた方だったのです。ついに独立してプロとして蕎麦屋さんを始められていたのでした。

 ぶしつけにも厨房をお訪ねしたところ「あれ、こままささん!」 ちゃんと覚えていてくれました。
 「まあ食べてみてくださいよ」とちょっと恥ずかしそうです。

  *    *    *    *    *

 さて、かき揚げ蕎麦はかき揚げが柔らかくてほたてとエビなど具も豊富。蕎麦は粉は道東の清里町から、今は幻となりつつある牡丹種の蕎麦を仕入れてこれで挽きたて、打ち立てを提供してくれています。

 蕎麦の細さはかつての腕そのままですが、蕎麦も細いのに実にしっかりとしたコシ。味わいも豊かです。

   

 私の注文した夏季限定メニューの、京都賀茂なす冷やがけ蕎麦のほうは柔らかななすとだしつゆの相性が抜群。蕎麦も最高です。私の中では札幌で一番のお蕎麦屋さんの発見です。

  

  

 お蕎麦をいただいた後、お客さんも切れた頃に頼んであったそば粉もできあがり。粉はお店の中に自家製粉の部屋を設けてそこで必要なだけ挽いているのです。やっぱり真面目ですねえ。

  

「このお店はやっぱり小橋さんでしたか。そんなに多い名前じゃないからもしかしたら、と思いながら来たんですよ」
「懐かしいね。こままささんもまだ打ってるんだね」
「なかなか上手くなりませんけどね」

 そこからはお店と転職にまつわる四方山話。「一年くらい前に仕事を辞めて、そこから準備を始めましてね」
「いや、ほんとうに美味しかったですよ」
「お恥ずかしい、まだまだだけど粉だけは良いよ。新蕎麦の頃には弟子屈の粉も限定で提供しますよ。また来てください」
「はい、もちろんですよ」

 小橋さんは蕎麦仲間と言うには恐れ多いし、技術的には圧倒的に差がついてしまいましたが、北海道に手打ち蕎麦のブームが起きる前からその流れを作った兄弟子のような存在で、実際いろいろなイベントで何度も手ほどきを受けた方でした。

 お世辞抜きで札幌で本当に美味しい手打ち蕎麦を食べたければ、ここ「手打ち蕎麦 こはし」が絶対にお勧めです。
 私もこれからそば粉が欲しいときには頼れる調達先が見つかって心強い限り。

 電話した先の蕎麦屋さんの電話が出なかった訳がわかりました。世の中は必然に満ちています。

【お蕎麦屋さんメモ】
 「手打ち蕎麦 こはし」 
 札幌市中央区北10条西21丁目1-2  TEL(011)621-8482
 駐車場 3台

 ご主人のブログ http://plaza.rakuten.co.jp/sobakohasi/
コメント (6)
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