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北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

イヨマンテ復活

2007-05-02 23:52:32 | Weblog
 小雨の降る札幌。気温も低めですが、明日からは晴れて行楽日和が続きそう。期待しましょう。

 アイヌの人たちの祭礼儀式「イヨマンテ」の禁止通達が52年ぶりに撤廃された、ということが話題になっていました。(→こちら

 イヨマンテは、アイヌの人たちが小熊を捕らえてこれを1~2年ほど飼ってから、祭礼儀式の中で殺して魂を熊の神の世界に返すというものです。

 新聞によると、道は昭和30年に「生きた熊を殺す野蛮な行為」として禁止した通達を出していたのだそうです。ところが昨年10月に、環境省が動物愛護管理法の基本指針で、動物を利用した祭礼儀式について「正当な理由で適切に行われる限り、法律に抵触しない」と明記したことから、この禁止通達の根拠が亡くなった形になり、今月にこの通達を撤廃したのだそうです。

 アイヌの人たちにとっての熊は、肉や毛皮や熊の胃という薬などをもたらしてくれるありがたい神で、どんどん自分たちの前に現れて、捕まえさせて欲しい存在です。

 そこで、まだ幼い小熊を捕らえてこれに餌を与え、美味しいものを食べさせたり優しく接することで、あの世の神の世界に小熊の魂を返して「人間の世界ってすばらしいところだよ」と言ってもらい、そこにいる多くの熊の魂が「それならわしも人間世界に行ってみようかな」と思ってくれることを期待するというのがイヨマンテという祭礼儀式なのです。

 この詳しい資料映像は、平取町の町立二風谷アイヌ文化博物館でも、故萱野茂さんの二風谷アイヌ資料館でも見ることが出来ます。

 私は萱野さんのアイヌ資料館でこのビデオ映像を見ましたが、実際に小熊を殺して皮をはいだりするのでややグロテスクな感じがしますが、大変貴重な資料で非常に興味深く、見入ってしまいました。

 今回の禁止通達の撤廃は、アイヌ文化への理解がまた一歩進んだ証と言えるでしょう。

 山の中の自然環境の変化のために、熊が人里に降りてくることが増えて社会問題になっていますが、アイヌの人たちの文化として熊が降りてくるなら良いですね。
コメント
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