駒子の備忘録

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宝塚歌劇星組『スカーレットピンパーネル』

2017年05月28日 | 観劇記/タイトルさ行
 宝塚大劇場、2017年3月19日11時。
 東京宝塚劇場、5月23日18時半、25日18時半。

 18世紀末のフランス。民衆がバスティーユの牢獄を占領した1789年以降、王政は廃止され、パリには革命の嵐が激しく吹き荒れていた。ロベスピエール(七海ひろき)を指導者とするジャコバン党によって貴族たちが次々と捕らえられ死刑宣告される中、革命政府の恐怖政治に反感を抱くイギリス貴族パーシヴァル・ブレイクニー(紅ゆずる)は誰にもその正体を知られることなく、無実の罪で捕らわれていく貴族たちを密かに救い出し、フランス国外へ逃がすという大胆な行動で街中を騒がせていた…
 原作/バロネス・オルツィ、脚本/ナン・ナイトン、作曲/フランク・ワイルドホーン、潤色・演出/小池修一郎。1997年ブロードウェイ初演、2008年宝塚歌劇星組により日本初演、2010年に月組により再演されたミュージカルの三演。新生星組お披露目公演。全二幕。

 初演星組の感想はこちら、再演月組の感想はこちら、最近トウコさんがマルグリットを演じた外部版の感想はこちら
 大劇場で観たときには、聞いてはいましたがベニーとあいーりの歌がともにほぼほぼ問題なく仕上がっていることに感動しました。本当にがんばってレッスンしたんだろうねえ、本当に歌が良くなったよねえ。どちらも椅子から転げ落ちそうになったりまったくメロディがわからない歌があったりしたところから知っているだけに感慨深かったです。が、東京ではあいーりはちょっと調子を落としていたのか声量が足りていなかったような気が…? そしてベニーは、開演アナウンスからなんであんなヘンなの? まさおよりひどい抑揚付けてて、また椅子から転げ落ちそうになりました…
 申し訳ありませんが、愛があまりないせいもあるかと思いますが、芝居としてはあまり感心しませんでした。妻に疑惑を感じているため、という理由はあるにせよ、パーシーのマルグリットへの態度はけっこうひどいものに私には見えましたし(観客にはマルグリット側の事情も見えているんだから、彼女が夫からあそこまで冷たくあしらわれるのは理不尽に思えるだろうし、結果パーシーの男を下げていると私は思うのだけれど…)、正体を隠すため、という理由があるにせよ、パーシーの道化っぷりは私には目に余りました。あいーりもがんばって大人っぽい女優っぽいヒロインを演じていたけれど、ちょっとがんばってる感が見えちゃっていたかな、と…
 ま、これからの新トップコンビなので、ニンに合う役に当たればまた違うと思いますし、華はあって素敵なので期待しています。
 変わらず上手いのがまこっちゃんショーヴランで、まあこれは私がまこっちゃんが好きだからというのもあるんでしょうけれど、キュンキュン楽しく観ました。チエちゃんの完コピだという人も多いそうだけれど、私はそこまで記憶がなく…少なくとも歌は圧倒的にまこっちゃんの方が上手いやろ、と思うのですが(^^;)。
 ショーヴランは二番手が演じる役の中でもかなり大きい方だと思うし大曲もいっぱいあるし、それを自信満々に朗々と歌ってみせてやりすぎなくらいのまこっちゃんが、私には愛しいです。芝居としても、やや迷惑な元カレなんだけど、そういう情熱とか空回りっぷりとかってとてもいじらしくて微笑ましくて、役回りとしてもおいしいと思うんです。ストーリーとしてはけっこう単純だし、パーシーがピンパーネルだと気づくとかグラパンがパーシーだと気づくとか公安委員がスカピン団だと気づくとかのくだりはけっこう間抜けでドリフチックなんだけれど、それを保たせる愛嬌がまこっちゃんショーヴランにはあったと思うんですよね。なので私は楽しく観ました。
 そしてくらっちのマリー(有沙瞳)が可愛くて、恋人ちゃんsのはるこが可愛くて、スカピン団ではハル(綾凰華)一択で、にまにま観ていたら終わってしまいました…
 あ、新曲が増えたかいちゃん、素敵でしたね。いい異次元でした。
 あと本当に楽曲が良くて、民衆たちのコーラスも素晴らしく、ナンバー終わりに自然に拍手できたのが気持ちよかったです。
 あとはロケットのあやぴーな…いい持ち味の違いだよねえ。あとは次こそあやなに新公主演をさせてやってくれたまえ…!
 あ、でもパレードの階段真ん中降りについてはちょっとぉ…!と思いましたよね。怖いわぁ…





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