駒子の備忘録

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雫井脩介『銀色の絆』(PHP研究所)

2012年02月21日 | 乱読記/書名か行
 夫の浮気で離婚、娘の小織とともに名古屋へ転居し、無気力な日々を送っていた藤里梨津子だったが、フィギュアスケートの名コーチに小織の才能を見出され、娘を支えることに生きがいを感じ始める…フィギュアスケートの世界を舞台に母と娘の絆を描いた感動作。

 …とアオリではなっていますが、読んでも読んでもなんの話かわかりませんでした…
 私はフィギュアスケートのファンなので、スケートものとして読んで、いろいろ新しい知識が得られたりしたことはおもしろかったのですが、物語としては何もないという気がしました。
 娘は現在にいて、今は普通の大学生でどうやらスケートはやめている。娘が選手時代を回想すると場面は切り替わって過去になり、母親が視点人物になる。
 つまりふたりは時空を挟んで存在していて、別に絆なんか作ってもないし強くなったり弱くなったりもしてない気がしました。
 母親の成長物語にも読めなかった。次々起きる事態にそれなりに対処しているだけで、嫌な女だったのがちゃんとした大人になった、というふうにも読めなかった。それは娘のほうも同様です。
 物語の軸、核がよくわからないまま、物語内の時間だけは進み試合があって…で?って感じ。
 うーん、残念な読書でした…

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