駒子の備忘録

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宝塚歌劇宙組『ハッスルメイツ!』

2018年08月07日 | 観劇記/タイトルは行
 宝塚バウホール、2018年8月3日14時半。

 発足20年を迎えた宙組の軌跡を名曲や名場面を中心にショー形式で振り返りながら未来へとつないでいくライブ・パフォーマンス。作・演出/石田昌也、作曲・編曲/吉田優子。全2幕。

 『WSS』の休演日にしか行けないしな…となんとかチケットを確保したら、すっしぃさんゆりかちゃんきゃのんあきエビに愛ちゃんりおくんかなこまりなずんちゃん、あきもやなべさんからあーちゃんあたりまで、総勢15人以上?の観劇にぶち当たりまして、さながら宙組総見!と盛り上がりました。出演者ではあおいちゃんだけ、客席にいる組子でもすっしぃさんだけが発足時からの宙組メンバーですが、そらのトークにもあったように観客の方には長く観続けてきた人も多かったろうと思いますし、懐かしかったり改めて新鮮に感じたりと忙しくも楽しい時間、空間となりました。
 このタイミングに、こういう芸名でこういうポジションのショースターがいること…ミラクルですよねえ。というか、そらがなんでもできるって知っているつもりでしたけれど本当に本当に声が良くて歌が上手くて、今さらながらに仰天しました。現役ならだいもん、こっちゃん並みに歌手だよね。本公演のショーなんかでももっとバリバリ歌手として起用されていいのにな、なんで宙組のスター育成ってこう下手なんだろうな、というかチギちゃんみたいに早くに組替えさせてたら全然違ったんじゃないですかね…やっぱり宙組だと小柄なのがネック、ってなっちゃうじゃん。どうするつもりなんでしょうねえ…
 ともあれ、新公でもやったルキーニでの客席降りもちろん良かったし大漁ソーランも裸足のダンスもよかったけれど、とにかく本当に歌がいい、どの歌もいい、とにかく声がいい。踊りながら歌おうがまったく音程が揺るがずブレスもバタつかない。本当に耳福。そしてセンターで赤を着るハッタリ力(ハッタリ言うな)がある、素晴らしい主演でした。
 ヒロイン格はじゅっちゃんでした。いいんだけど、上手いんだけど、可愛いんだけど、個人的にはもうちょっと、振りだけでも、まいあと分け合う形にしてほしかったですよ…基本的には学年順に並ぶから、まいあいつも端か奥なんだもん…ソロももらっていたし素晴らしかったけどさ…まあまいあだとそら相手にはデカいのかもしれないけどさ…あと、ボヘミアン・ラプソディのあとにじゅっちゃんのたっぷりすぎるソロ場面があって何事!?とさすがに思ってしまったのですが、これはその前の場面のソルジャーの恋人としての場面で、つながっていたんですね…プログラムをきちんと読むまで気づきませんでしたよ…
 二番手格はもえこ。こちらもやっとハジけてきましたね。スタイル抜群なんだしこちらも歌唱力はあるんだからあとは押し出しだよね。そして三番手格にこってぃ、こちらも歌手ですね。あいかわらず美形とは言いがたい…と私は思っているのだけれど(すみません)、お化粧や見せ方次第だとも思うし、華はあるのでがんばっていただきたいです。
 あおいちゃんとまっぷーがしっかり固めて、せとぅーが頼れるのは知っていたんだけど、今回私が開眼したのがあいーりで、おへちゃに見えていたんですけれど(重ね重ねすみません)こうして並ぶと上級生娘役力を圧倒的に感じました。とにかく笑顔の作り方が可愛いの! 下級生の中では湖々さくらちゃんがやはり可愛くて(でも口元が気になった…歯かな?)、でもやっぱりお化粧なんかまだまだで、舞華みりあちゃんも花城さあやちゃんももっと自分を綺麗に見せられるはずで、でもあたりまえなんだけどまだまだ場数が足りなくて、それからしたらあいーりの洗練ってもう素晴らしかったです。
 そして頼れる、知ってた、なほまちゃんとなぎくんに、大汗かいて勉強中だねでもいいよがんばってるよ!ななつ颯都くんと亜音有星くん。そんな全16名が輝いていました。
 
 主題歌二曲のあとはもえこセンターの『Copacabana』から。『NW!宙』でもやったね懐かしいね!となりました。こってぃセンターの『ファントム』、あおいちゃんとまっぷーの『TOP HAT』、『雨唄』からの娘役全員で歌い継ぐ『エリザベート』の「私だけに」、男役が歌い継ぐ「最後のダンス」がとても良くて、そしてそらルキーニの「キッチュ」になる流れが素晴らしかったです。
 なのにそのあとは「パーシャルタイム監獄」という名のコントで、タカスペのパロディ場面かよって駄目ターイシ炸裂の寒い場面でしたが、出てくるお衣装やキャラクターは懐かしいしみんなが楽しそうだったのでまあいいです。女看守せとぅーがさすがすぎました。
 もえこホセとじゅっちゃんカルメンが残って何故か『テンプテーション』、アカペラの「アマポーラ」のあとはフィナーレで、ファンからのリクエストを募ったショー・メドレー。ミレチャレ、ダンフォユ、ファンサン、ナイガイ、フェニタカからホッタイと盛り上がりました。そして「明日へのエナジー」で1幕は終演。『天シト』大千秋楽でこれも見納めか…!と思っていましたが、再び聞けてやっぱり感動しました。
 2幕は大漁ソーランから。「宝塚行進曲」を経て和物メドレーとして『美生涯』や『維新回転・竜馬伝!』など。お芝居仕立ての雨の場面ではまっぷー神様?がしっかり美声を聞かせてくれて、青年そらとわんこなじゅっちゃんがキュートでお似合いでルリルリしてました。傘のダンスもとても良かったです。
 そして『ネバセイ』とそらの裸足のソロ・ダンス。からの何故『ガイズ』? しかも何故「私がベルなら」をあえて原曲で歌わせるの? 著作権の都合? もえことせとぅーってのも謎配役でしたし、ここはぽかんとした人も多かったのでは…
 ソルジャーと母と恋人、みたいな「ボヘミアン・ラプソディ」のあとは黒燕尾で「愛」、いいねー! そしてパレード、主題歌リプライズ、でした。冒頭のお衣装が全員色が違っていて賑やかで、それに娘役は黒のTシャツ重ねてきていて、これまたよかったです。

 客席降りではまいあがエビちゃんにハイタッチするのも眺められたし、ほまちゃんにあーちゃんやなべさんが手を伸ばして群がってたのも可愛かったし、まあ宝塚歌劇はある程度どの公演もそうかもしれませんがこういうファンしかいない公演っていいな、温かいなと思いました。下級生にもショー力が付くだろうし、有意義だったのではと思います。一番若い組だからというのもあるけれど、何かと手をかけてもらえていてありがたいねえ宙組。あとは生え抜きトップを生み出すのみだよね、それで初めて組として一人前なのかもしれませんね…ファン含め、みんなしてがんばり続けていくしかないですね。がんばるよハッスルするよ!




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