駒子の備忘録

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ボリショイ・バレエ『スパルタクス』

2012年02月04日 | 観劇記/タイトルさ行
 東京文化会館、2012年2月2日ソワレ。

 クラッスス(この日はアレクサンドル・ヴォルチコフ)率いるローマ帝国軍が各地を残虐に侵略し、捕虜を奴隷として鎖につなげていく。その中にはスパルタクス(イワン・ワシーリエフ)と妻フリーギア(スヴェトラーナ・ルンキナ)がいる…
 音楽/アラム・ハチャトゥリアン、台本/ユーリー・グリゴローヴロィチ(ラファエロ・ジョヴァニョーリの小説と古代史に基づくニコライ・ヴォルコフのシナリオを使用)、振付/ユーリー・グリゴローヴィチ、美術/シモン・ヴィルサラーゼ、音楽監督/ゲンナージー・ロジェストヴェンスキー。管弦楽はボリショイ劇場管弦楽団、指揮はパーヴェル・ソローキン。
 1968年初演、全3幕。

 初めて観た演目ですが、ハチャトゥリアンの勇壮な音楽に乗って、まあまあ男性舞踊手陣が飛ぶわ回るわ大変な動きで、超絶技巧の連続で、荒々しくてでも荒っぽくはなく端整で凛々しくて、プリマドンナのサポートでなくてさぞ楽しく踊っているんだろうなあ…とすがすがしかったです。
 クラッススの愛人エギナのマリーヤ・アラシュがまた生き生きと意地悪くプライド高そうに踊っていて、フリーギアよりあとに出てきてお辞儀するし、第二ヒロインで黒ヒロインだけど見せ場としてはこちらの方が大きいくらいですよね。
 フィギュアスケートにも使われることが多い楽曲はさすがにアダージョ部分から。でもペアみたいなスターリフトもあってこれもすごかった…!

 お話は、わかっちゃいるけど…ですね。『海賊』もそうなんだけれどちょっと同じことの繰り返しのようでもあり、でも今回はそれが群舞のポリフォニックな付け方のせいもあって効果的で、そして施した情けがあだになって最後に主人公に返ってくるという…
 残されて泣くのはいつも女ですが、遺骸のもとで立ち上がらなくてはいけない…ベタですが泣けました。

 シンプルですが美しい美術、多層的に繰り出されるコール・ドも素晴らしく、決してロマンチックなお話でもなんでもないけれど、バレエってやっぱり美しいな、すごいな、と感じました。
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