駒子の備忘録

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南Q太 『愚図な女ばかりじゃないぜ』

2009年12月17日 | 愛蔵コミック・コラム/著者名ま行
 ぶんか社コミックス

 著者初の長編。カバーデザインがえらくかっこいい。
 「ひとりでいるのがわりとスキ」「優しい恋人がひとりいれば それで十分だと思ってた」OLのゆうこ。でもその「優しい恋人」に恵まれず、浮気でプー同然のユタカに水商売を薦められ…

 地味というか、すごく普通にゆうこの外見を描いていますが、もうちょっとだけ華やかというか好感度が増すように描けば、十分普通の少女漫画というか、女性漫画になると思います。別に差別するつもりはないんだけれど、大手の少女漫画誌とかレディス誌に載る作品に比べて、この手の作品ってマイナーな扱いを受けていて、ちょっともったいないと思うので。いい作家、いい作品がたくさんありますもんね。女性漫画、というのは私が勝手に考えた名前ですが。レディスコミックというと、どうしてもひところ一世を風靡した、そして今もなお根強くある、女性のためのエロティカ漫画を連想してしまうので。その後、少女漫画も進化・深化して、雑誌でいうと「YOUNG YOU」に代表されるような、“働く女だって恋をする”というジャンルと、「フィールヤング」に代表される“女の子だってセックスする”というジャンルができてきましたよね。ここらへんを、女性漫画と呼んだらどうかなと思っているのです。
 ユタカみたいな、もしかしたらただ不幸なだけなのかもしれないけれどとにかくしょうもない男って、きっとけっこういるんでしょうね。ゆうこのように「もっとたくましくなりたい」「あたしはきっと大丈夫」と言えるだけの強さがユタカにはないというか、そうやって自分を愛してあげることができない人間なんでしょうね、ユタカは。でもゆうこは大丈夫。こういう人間には、いつかきっと絶対に「優しい恋人」が訪れます。
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