駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『ラストダンス』

2012年12月15日 | 観劇記/タイトルや・ら・わ行
 シアタークリエ、2012年12月10日ソワレ。

 宝塚歌劇団を振り出しに、帝劇ミュージカルス、日劇のショー、菊田一夫による東宝ミュージカル、黎明期の翻訳ミュージカル、まだリサイタルが珍しかった時代に個人でのリサイタル…と活躍の場を広げていった越路吹雪。その足跡を辿り日本のショー・ビジネス発展史を辿る舞台。
 原作/岩谷時子、脚本/高平哲郎、演出/山田和也。全2幕。

 作りつけのような舞台がちょっとした装置の移動や照明の変化で次々と場を変え、時間軸を変える演出がとても舞台らしく、おもしろく観ました。
 ただ、全体としては単調だったかな。私は本物の越路吹雪をほとんど知らないので、そのせいでのめりこめない、というのもあるかもしれませんが…
 コーちゃん役のアサコは天真爛漫でキュートでチャーミングで女っぽく、とてものびのびしていたと思います。ただ歌はいろんな意味で物足りなかったかなあ。
 素晴らしいのはやはり岩谷時子役の斉藤由貴でした。最後につぶやくように歌う「ラストダンスは私に」、そりゃ泣くよね。
 彼女の著作を読んだことがないし、主に翻訳の仕事でしか存じ上げませんが、結婚しなかったのはたまたまだろうし、ウマが合って長々マネージャーを務めることもまあ普通にあるよねと思うのですが、やはりそこになんとはなしの百合百合しさを感じずにはいられず、それがまた素敵でした。
 何役も務める男優陣も芸達者で、時空を超える宇野まり絵の暑苦しさ・上手さもすばらしい。少人数の舞台の楽しさを堪能しました。

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