駒子の備忘録

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新国立劇場バレエ団『ドン・キホーテ』

2020年10月28日 | 観劇記/タイトルた行
 新国立劇場、2020年10月25日14時。

 原作/M・セルバンテス、音楽/レオン・ミンクス、振付/マリウス・プティパ、アレクサンドル・ゴルスキー、改訂振付/アレクセイ・ファジェーチェフ、台本/マリウス・プティパ、美術・衣裳/ヴァチェスラフ・オークネフ。
 この回はキトリ/柴山紗帆、バジル/中家正博、エスパーダ/井澤駿。

 なんとこの演目は十数年ぶりの観劇になってしまったようで、前回のKバレエはこちらこちら、ミラノ・スカラ座で観たときはこちら、レニングラード国立バレエで観たときはこちら
 コロナ禍もあって久々のバレエ観劇となりましたが、単純で楽しい演目でよかったなと思いました。全幕ものだと白のお衣装で踊られることが多いと思う結婚式のグラン・パ・ド・ドゥも、今回のキトリはちょっとピンクがかった若々しい赤と金のチュチュ、バジルは黒と赤のお衣装でバリッとキメて、明るく華やかですがすがしかったです。とてもチャーミングなふたりでしたが、ややおとなしく、やんちゃではっちゃけた下町のカップル、みたいなパワフルさにはやや欠けたかな? でも、全体のバランスも良く、もちろん埋もれることもなく、美しかったです。のびのび踊りまくるエスパーダも良き、でした。
 生オケ(管弦楽/東京フィルハーモニー交響楽団)もよかったです。ダンサーがちょっとバランスを崩したときにもすかさずさりげなくスローダウンして合わせていました。やはりバレエは録音では無理だよね…
 それにしても、特に古典バレエは、ということなのでしょうが、女性の美しさを引き立てるためにこんなにも男性がサポートに徹してくれて、そして最終的にはカップルでの完璧なまでの美しさを見せつけてくれるものってなかなかないな、と改めて感動しました。異性愛至上主義はもちろん良くないことなんだけれど、そこの数が多いことは単なる事実なので、まずここを美しくさせられないとマイノリティやらの多様性にまで手が回らないに決まっている、と思うのです。この舞台での理想と美しさの体現はまだまだ必要とされている現実だと思うので、バレエはさらに輝いてほしいと思いました。まだしばらくは来日公演も難しいでしょうが、またいろいろ観に行こうと思います。

 
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