駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ミラノ・スカラ座バレエ団『ドン・キホーテ』

2010年02月01日 | 観劇記/タイトルた行
 東京文化会館、2007年6月8日ソワレ。

 風変わりな田舎貴族ドン・キホーテ(ネド・ツィンゴーニ)は、愛読している騎士物語に夢中になるあまり、自分は勇敢な騎士だと思い込んでいる。彼は隣人 のサンチョ・パンサ(ステファーノ・ベネディーニ)を従者に愛と戦いを求めて旅に出る。ある村で、宿屋を営むロレンツォ(ダニーロ・タピレッティ)の娘キトリ(上野水香)は、床屋のバジル(レオニード・サラファーノフ)と恋仲だったが…振付/ルドルフ・ヌレエフ(原典版マリウス・プティパ)、音楽/ルート ヴィヒ・ミンクス、プロローグ付き全三幕。

 こんなに短い、あっさりしたカーテンコールって、私はバレエ観劇で初めてだったかもしれません…

 いや、上野水香のキトリは素敵だったんです。強気でいなせな娘で、跳んで反り返る背中が美しくて、バランスの見せ場はそれはそれは見事で。ただ、日本人 ばなれした脚線美に比べて腕がどうしても短く見えてしまう難点がある気がするのと、私はこのひとは甲が美しくない気がするのですが気のせいでしょうか…

 まあそれはいい。

 そしてサラファーノフはさらにとてもとてもすばらしかったんです。あんなすごい跳躍、回転技の連続のバジルのバリエーションはこれまた初めてかもしれません。いかにも若そうで、でも難なく楽しそうにやっている感じがとてもよかったなあ。

 だけど、ふたりが揃うと、揃わないのです。二幕のアダージョは持ち直したかに見えましたが、三幕ではまた音の取り方が明らかにバラバラでした。
 ふたりともこのバレエ団にはゲスト出演しているのだし、合わせたお稽古があまりみっちりできていないのかもしれませんでしたが、息が合わないというので はなくて単にズレている、揃っていない踊りというのは観ていてあまり気持ちのいいものではなかったですねえ。

 そこらへんが観客にも伝わってしまっての、最低限のカーテンコールだったのでは…というのは、うがちすぎかしらん。
 あと、偏見かもしれませんがやはり海外のバレエ団って貧乏なんでしょうか? 衣装の色の冴えなかったこと、泣きそうになりましたよ…

 熊川くんが降板しても私はKバレエの『ドンキ』の払い戻しをするつもりはありませんが、絶対あっちの方がセットも衣装も美しいはず!
 エスパーダのミック・ゼーニがまたとてもよかったのが印象的でした。

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