駒子の備忘録

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レニングラード国立バレエ『ドン・キホーテ』

2009年11月12日 | 観劇記/タイトルた行
 オーチャードホール、2002年1月16日ソワレ。
 ラ・マンチャに住む男(イーゴリ・ソロビヨフ)が騎士物語を読むうちに自らドン・キホーテと名乗り、農夫サンチョ・パンサを従者に旅に出る。着いたバルセロナの街では、旅館の娘キトリ(オクサーナ・クチュルク)が父親に金持ちのガマーシュ(アレクセイ・マラーホフ)と結婚させられそうになっていた。だがキトリにはバジル(ファルフ・ルジマトフ)という恋人がいた。キトリを夢に見たドルシネア姫と思い込んだドン・キホーテは…プロローグ付き全3幕5場。指揮/アンドレイ・アニハーノフ、管弦楽/レニングラード国立歌劇場管弦楽団。
 いやあ、実に楽しいバレエでした。『ドン・キ』といえば赤と黒のお衣装、と思い込んでいましたが、数多くの原色と黒の、マットな感じの色彩が乱舞する派手やかな舞台でした。
 ヒロイン以外は大柄な人が多く(ドン・キホーテは特に長身で、3メーター50はあったかも、ってな感じでした。ウソですが)、お芝居も陽気で明るくわかりやすく、みんながたくさん踊って、あっという間という感じでした。気取り屋ということでキトリから嫌われるガマーシュですが、いじらしくて笑っちゃいましたよ。
 ガラ・コンサートやコンクールで有名なグラン・パ・ド・ドゥは、全幕バージョンでは白いお衣装で踊られるんですね。そういや結婚式のシーンなのでよく考えればあたりまえではありますが、ちょいと驚いてしまいました。それでもキトリが片耳のあたりにイヤリングのようにも見える小さめの赤い花を差していたのが愛らしかったです。
 でも、最初のコーダがなんかちょっと調子良くない感じだったんですね。長い来日ツアーで疲れが出たのか、ふたりの息があっていないようで。私でも振り付けを知っているような有名な踊りなので、どうなることかとヒヤヒヤしましたが、しかしさすがでした。ヴァリエーションをバシッと決めて、その後しっかり立ち直ったのです。ものすごい精神力だなあ。
 音楽もよく踊り手に合わせていて、楽譜の正確な拍子から外れてでも、踊り手のペースを尊重していました。ルジマトフなんか自分のヴァリエーションで、指揮者とアイ・コンタクトを取って、最後のパに「ジャン!」ってのを合わせさせていましたもん。「決まった!」って感じで指揮者とニヤリとし合ったところ、見逃しませんでしたよ。
 私はミーハー・バレエファンで、有名外国バレエ団のクラシック演目にしか行かないようなヤツで、結局のところ一番『白鳥の湖』が好きだったりするんですが、でも、今回初めて観たこの演目は気に入りました。また観たいです。
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