駒子の備忘録

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『モダン・ミリー』

2010年01月29日 | 観劇記/タイトルま行
 新国立劇場中劇場、2007年4月19日ソワレ。

 1922年、流行の先端を行く街マンハッタンに、夢と希望を抱えた田舎娘ミリー・ディルモント(紫吹淳)がやってくる。怖いもの知らずで元気いっぱいの 彼女は、とびきりのモダン・ガールになってお金持ちの社長と結婚し玉の輿に乗ることを夢見ていた…演出・振付/ジョーイ・マクニーリー、翻訳・訳詞/高橋知伽江。1967年公開のジュリー・アンドリュース主演の同名のミュージカル映画を舞台化、2002年トニー賞受賞。日本初演。全2幕。

 いかにもアメリカ~ンな、「ブロードウェイ・ミュージカルっ!」という作品で、何も考えずに楽しめました。一幕、二幕とも幕開きのロケットとタップがとても楽しかったです。

 タイトルロールのリカちゃんは、まだまだ歌のキーが女役になっていないようで(^^;)、低いところは上手いんだけどねえ…という感じで残念。
 ミリーの ルームメイトで実はお嬢様というやや天然のミス・ドロシーを演じたジュリちゃん(樹里咲穂)の方がずっときれいなソプラノで(アニタをやったときとかはこんなではなかったかと思うのですが)、ミスター・グレイドン(岡幸二郎)とのデュエットがすばらしかったこともあって、こちらが儲け役すぎるんだけど、 ちょっと分が悪かったかな。
 でも脚がもうものすごく美しくて、ダンスはもちろん抜群。「モダン・ガール」になって長いスカートを脱ぎ捨てて足を出した瞬間に客席を鷲づかみにできるパワーがありました。

 それで言うとジミーを演じた川崎真世はもっとずっと不安定というかなんというかで、岡幸二郎と役を入れ替えた方が良かったんじゃなかろうか…彼の方がずっと背も高くてリカちゃんと合うし。

 しかしさらによかったのがベテランのふたり、ミセス・ミアースの前田美波里とマジーの今陽子。声量も歌の上手さも半端じゃなくて場をさらいました。
 中国人兄弟のセリフや歌は字幕を出さずに訛った日本語とかにしてしまえばよかったのに、とかは思いましたが、まあ理屈抜きで楽しいお話で、「玉の輿狙い」と言っても嫌味じゃなくて、愛らしいチャーミングな作品でよかったです。
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