駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇星組『バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!』

2023年04月12日 | 観劇記/タイトルは行
 梅田芸術劇場メインホール、2023年3月26日15時(初日)、28日11時半。
 市川市文化会館、4月2日12時。
 福岡市民会館、4月8日13時半、9日12時。

 19世紀初頭のスペインは、侵攻してきたナポレオン・ボナパルトに王位を奪われ、彼の兄がスペイン王として即位したことで、各地で反フランスの声を上げる民衆が蜂起し、政情は不安であった。バレンシアの領主・ルカノール公爵(朝水りょう)の居城に、近衛隊長ルーカス大佐(夕渚りょう)から報告が届く。隠密ホルヘ(大輝真琴)より、ここバレンシアでもレオン将軍(美稀千種)に謀反の動きがあるという情報がもたらされたのだ。ルカノールは取り合おうとしないが、同じ頃、前領主の嫡子フェルナンド・デルバレス大尉(凪七瑠海)がマジョルカ島の駐屯地より帰還し、レオン将軍邸を訪れていた…
 作/柴田侑宏、演出/中村暁、作曲・編曲/吉田優子、寺田瀧雄、河崎恒夫。1976年初演、その後何度も再演されてきたミュージカル・ロマン。

 私が楽しく通いまくった宙組全国ツアー版感想はこちら
 こっとんコンビが別れることやカチャ特出主演などでいろいろざわざわしましたが、私は嫌いじゃない演目で再演が嬉しく(まあ「最近やったばっかでは?」とは思ったけど、でももう7年も経ちましたね…)、振り分けが出る前から「かりんさんロドリーゴが観たい!」と念じていて、振り分けとせおっちラモンまでの発表でこれは確定、と信じて福岡遠征まで段取りましたよね…そんな自分を自分で褒めたい、楽しい観劇と遠征でした。
 もちろんいろいろ比較してしまうし、改めて思うところも多々あったわけですが、ショーとともにとても宝塚歌劇っぽい、全ツに向いた二本立てだったのでは、と思いました。お芝居はお衣装が華やかでストーリーがわかりやすいもの、そしてショーつきは鉄板で!と今後とも強く願います。今回も、市川も福岡も全ツがよく行くところで慣れた観客は多いかなと思いましたが、それでもやはり初めてっぽいお客さんは見受けられて、それが集中して見入っている様子や、幕間や終演後にキャッキャしているのを眺めるのは楽しかったです。
 逆に通というか既存ファンには、そろそろこのアナクロさがしんどいとかやっぱりラストが意味わからん話だ、みたいな評が湧いているかなー、と感じました。今回も台詞の出し入れが二、三箇所あった程度で脚本も演出も大きな改変はありませんでしたが(装置もまんまで、よく見ると細かいところは違うのですが、ホント取っておいたのかなと思うくらいでした)、手を入れようと思えばそれでも入れられるし、やってもいいのになーとも思いました。どうなんでしょうね…?
 一番の問題は、「♪バレンシアのために、スペインのために」現状を憂い未来を案じているのはセレスティーナ侯爵夫人(紫りら。秀逸で絶品!)だけに見える、ことなんですよね。レオン将軍がフェルナンドを焚きつけてルカノール公爵を追い落とそうとするのって、前領主の暗殺計画に関する正義を通すとか父の仇討ちとかスペイン独立とかなんとか言っているけれど、要するにおっさん同士の単なる権力争いにすぎないのでは…?疑惑がある。本当にそうした犯罪が行われたなら証拠を集めて裁判に持ち込まないとならないはずなんだけれど、まあすでに実行犯が逮捕されて処刑されて罰は確定しちゃってるということなのかもしれないし、買収だのなんだのしてちゃんとした裁判が行われなさそうなのかもしれないけれど、だから暗殺し返すとかついでにクーデターというのがなんかこう、短絡的っつーかあまりに暴力的に見えるというか…主人公側にちゃんと正義はあるのか?と今の観客は観ていてさすがに不安になるだと思うのです。これは当時と現代では倫理観が違うから…とかいう問題ではちょっとないと思います。仇討ちや復讐って何も生まない、死んだ者は帰らない、戦いは新たな戦いを生むだけ、ってもうみんなわかってますからね…
 だからそこに、それでもフェルナンドがルカノールを討つべく立つことに説得力を持たせる台詞の改変を、しようと思えばできると思うので、そろそろ手をつけるべきだと思うんですよねえ。私利私欲に走り酒池肉林に遊び悪政を極める残虐非道な現領主を世のため人のために倒し、外国勢を排除し、真の独立と自由を勝ち取るのが最優先で最大の目的なのである、父親の仇討ちという私利私欲はあくまで二の次なのである…と見えるようにする。フェルナンドは何よりもまず大義のためにやむなく策を弄しているのだ…となるようにクリアにできれば、あとは三者三様の良きメロドラマの、良き物語だと思うんですよ。まあクライマックスがややしょぼいという難点(ナレ死ならふナレクーデターですもんね…)はありますが…シルヴィア(水乃ゆり)の選択が納得できないとかラストのフェルナンドの台詞の意味がわからないとかは、それはあまりに観客の想像力や共感能力、知識や教養、心の深さがないんでないかい?とは私は言いたいので、そのあたりはママでかまわないと思うのです。
 くーみんやなーこたんほどではなくとも、この程度の古典の改良の手腕はどの演出家にもあってしかるべきだろう、てかやって、と言いたいです。アップデートというほどのものでもない、別に初演当時から「これって単なる私怨じゃね? もうちょっと大義がある話にした方が良くね?」ってつっこんでいた人はいたはずだと思うので…
 そのあたりが、次回再演への(あるんかいな)課題でしょうかね。

 さて、プロローグのフォーメーションや振付が多少変更されていましたが(ここの振付はヤンさん)、赤バックにシルエットで始まるところは同じで、カチャもまぁ様に負けず劣らずのスタイルの良さなので、お人形かな?と思ったところに動き出し、ライト、拍手、歌!なのでもう掴みはバッチリです。でもやはりまぁ様のロングアームを見慣れているとちょっともの足りないよね…(^^;)フェルナンド、ラモン(瀬央ゆりや)、ロドリーゴ(極美慎)のお衣装はすべて宙全ツ版と同じで、イサベラ(舞空瞳)、シルヴィア、マルガリータ(乙華菜乃)のドレスはちょいちょい違っていたように思いました。
 各キャラクターに対する考察は宙全ツの際にくだくだ語ったので、今回は主に演じるスターについて語りますね。

 カチャは、まあ私が好きでも嫌いでもない、なんならノー興味のスターさん…だということもあるのかもしれませんが、男役の様式美の完成形みたいなことで褒められている意見も多く見ましたが、私は、なんか冷たいフェルナンドだな、と思ってしまいました。まぁ様はなんせニンがチャラいので(オイ)エル・パティオ以降が本領発揮、みたいな感じがありましたが、カチャのフェルナンドは冒頭のレオン将軍とのやりとりの場面が本当の素顔で(イヤそれで正解なんだけれど)、以降の昼行灯若様ご乱行っぷりがあまり上手くない感じがして、何よりイサベラに対してあまり愛情を感じませんでした。端正すぎるんじゃないかなー…というかあっかるいひっとんとの芝居の質が違いすぎる気がしました。ふたりとも小顔で、スタイル的には抜群に似合いのカップルだったんですけどねえ…まぁ様とゆうりちゃんだってトップコンビではなかったわけですが、それにしたってなんかこう、もうちょっとこう、漂う電気とか通い合う情愛とかこぼれ出ちゃう色気とか…があったと思うんですよねえ。ちゃんと夜に会っていそうな感じというか。
 私は初日、婚約者の話を持ち出すカチャナンドのあまりの冷静さに仰天し、本当に心が冷えました…妻と別れる気はない、家庭を壊すつもりはない、ときっちり言って責任取る気ナッシングで職場の若い女性と不倫に乗り出すおっさん上司より質の悪い、言い訳以下の単なる通告みたいな感じがしちゃったので…
 だからなんかラストも…特になんか二段階チューが嫌だったなー……別れのキスをそんなに深くするなんて罪作りすぎやしませんかね? ただ、そこからのひっとんイサベラのハケ方がよかったし、それを万感の想いで見送るフェルナンドと、ロドリーゴの台詞、そして「私の」イサベラも死んだ、という慟哭(この「私の」が咀嚼できないなら、なんの物語なら伝わるというの…?)はすごく良くて、私は幕切れに気持ちよく拍手できたんですけれどね。そこにはカチャの技量を感じました。
 うぅーむ…お好きな方、感動したという方には申し訳ございません。

 ひっとんイサベラは、ゆうりちゃんのときのお衣装より飾りが増えた分、なんか普通の下町の娘さんって感じになって、そりゃ貴族のお嬢様ではないんだけれど、バレンシア市民の勘定にも入れてもらっていないような流れ者のロマの虐げられたしがない踊り子…感はなくなっちゃっていたな、と思いました。もちろん彼女がフェルナンドの婚約を尊重するくだりはあるのですが、それでもやはりあまり身分違い感がなく、それがこのカップルの恋愛の在り方のちぐはぐな感じをより強くしていたようにも思います。初日は私には本当にイサベラのひとり相撲に見えちゃったんですよね…そもそもこの物語にはフェルナンドとイサベラの出会いの場面がないので、それが弱いせいもあるのですが。
 これはゆうりのときもそうだったけれど、フェルナンドの「ふたつの顔」について語るときのイサベラは、あんなにあっけらかんとして楽しげでいいんでしょうかね? 私だったら、恋する相手が二重生活を送っていて自分が片方にしか関与できない、なんてことを嬉しげに語る気になれないと思うのですが…あそこはもっとせつなげに語って、それでも、片側だけでも、今だけでもいいから、一緒にいたいの愛しているの…ってことを言うべきなのでは?と思うので、なかなかにナゾです。
 初演が本当に男役123のために企画されたもので、ヒロインといえど出番も少ないしなかなかにしどころのない役ではありますが…うぅーむ、ひっとんの良さが生きる役ではなかったかもしれない、とは残念ながら私は思ってしまいました。

 せおっちラモンは…いい人でしたね…ホントいい人…それはセレスティーナのマルガリータへの台詞ですが、そのニュアンスとはまた違って、要するにいいヤツなんだけど、友達としてはベストなんだけど…という、アレです。友達以上、恋人未満ってヤツ。宙のゆりかラモンとゆうりイサベラにはこのあとワンチャンあるかも、なんなら過去にも何かしらあったかも…みたいな電気が通い合っていた気もしなくもないのですが、今回はイサベラの「妹に聞いてごらーん!」みたいなあっけらかんとした物言いといい、過去にもなーんにもなかったしこれからもワンチャンもないな、って気がしました。
 それでも、イサベラに泣きつかれて、悩みながらも片手で抱きしめ、でも去られてしまい、それでもせつせつと歌う「瞳の中の宝石」は、それはそれは聞かせてくれました。せおっちにも私はあまり興味がないのですが(ホントすんません…)、いつもホントちゃんとしてるよな、なんでもできるスターさんだよな、とは思うのでした。ファンにはツボなキャラクターだったのではないでしょうか。

 そして我らがマルガリータですよ! 柴田ロマンのセカンドヒロイン、私の大好物です!! 乙華菜乃ちゃんは確か『ザ・ジェントル・ライヤー』で可愛い!と認識し、『めぐ会い』新公でルリハナのところをやっていて「おっ、いいじゃんいいじゃん!」とときめいていたので、振り分けのときにはこのメンツで誰がマルガリータをやるの?とか思っていたのですが、配役発表で小躍りしました私! 過不足ない演技と歌、可愛らしさで、でもきっともっとできる!と思わせてくれました、お祭りのバイトもガン見していましたよー、期待株!

 シルヴィア(水乃ゆり)の水乃ちゃんは、初日はだいぶ少女な役作りに見えて、『ベアベア』ではあんな(どんな)だったのにほほうこうきたか…とか思っていたのですが、回を追うに従って嫋々とした人妻感が出るようにシフトしていっていて、福岡ではロドシルの「瞳の中の宝石」はちゃんとそこで「燃え尽きた思い出」が実行されている感が出ていたと思うので(というのが私の解釈なのです)、私は満足です。ホルヘとのお芝居もすごくよかった。この先、水乃ちゃんは上級生娘役として大きな戦力になっていくと思うので、長くいてね…!と念じています。

 で、かりんさんのロドリーゴ(極美慎)ですが…うーむ、どちらかというと私は『アルジェ』アンドレみたいな方向性のロドリーゴを想定して観てしまったので、「またなんつー暑苦しいロドリーゴやねん…」とちょっと思ってしまいましたね。この役作りで押し進めるとホントちょっと力技の一本調子に見えるし、なのにあの顔あのスタイルなので「この頭を岸壁にでもぶち当てて…」みたいな昭和アナクロ台詞が浮くんですよねー…まあ宙のあきロドが好きすぎの私が言うことなので話半分に聞いていただければと思いますが、そんなわけで演技としては私はそんなに評価していません。つーか残念ながらホント上手くならないよね、でも好き…という愛で方なので、ホント大丈夫なんですすみません。
 しかしあっきーロドリーゴのいけすかない脚の組み方、絶品だったなー…とか今さら思いましたよね。てかいろいろ確認用に映像見返しちゃったし。かりんさんは組んだ両膝をくっつけて座っていてお行儀がいい感じで、あっきーは片方の膝にもう片方の足首を乗せているので偉そうでよかったのでした。歌いながらコナかけてくるイサベラを振り払うところでは、グラスを持ったまま立ち上がるようになっていて、初日は明らかに故意にグラスの酒を浴びせていたのでちょっとひどくない?とか感じちゃいましたが、その後は振り払った拍子に酒がこぼれただけ、に見えるくらいなっていたと思いました。でもこんなスタートでも、ラストの、「やあ、イサベラ」がすごく優しくてあたたかで、労りに満ちた声音なんだよね…あの一言には毎回キュンキュンしていました。その前のラモンとの別れの挨拶もあたたかでよかったです。まかあきとは違う扉がこのラモロドでも開かないこともないかもしれなくもないかもしれない…(笑)
 あと、柱プレイ(笑)の振付や立ち位置がちょっとだけ宙組版と違っていましたが、やはり柱に置いた手が素敵で、毎度うっとりしていました、てかここ、ららヴィアは「ロドリーゴ…」って言い切ってからのキスだったのに、今回は「ロドリー…」で口塞がれてるってどーいうことなのー! …そんな性急なロドリーゴさんも、好きです(結局…)。

 みちきぐはさすが。朝水パイセンのルカノールは、最後のチャンバラで「ロドリーゴ…!」って甥に気づく台詞が足されていて、わーショックなんだ哀れ…ってなりましたよね。まあわかっててシルヴィアを娶ったしあの夜会でも踊ったしパートナーチェンジもしたんだろうけど、それでも養子にし後継者にし、やはりある種大事に想っていた甥だったんだろうと思いました。
 あとはまいけるのホルヘが本当によかった! このところまいけるの芝居はいい、ホントいい仕事していますよね! あとオレキザキがホント「酔っ払いの豚野郎」でさすがでした(笑)。りんきらのバルカ(輝咲玲央)はもうちょっとダンディというかインテリヤクザチックで、ナンパにつきあっても美味しいものを食べさせてくれるだけで何もせず解放してくれそうな気配もなくもなかった…と思うんですが(笑)、オレキザキではそうはいかなかったよ! ちなみにローラ(綾音美蘭)の唾の吐きっぷりもどんどん堂に入ってきてすごく近距離からやるようになっていったし、バルカもめっちゃ近距離で撃つようになっていましたよね…ちなみに福岡で初宝塚観劇みたいなお若いカップルが隣だったのですが、ローラが撃たれたところで女子の方が小さく「あっ」って叫んだんですよ。もうその初々しい反応にキュンキュンしちゃいました(笑)。みらんちゃんもいつでもどこでも元気で可愛い、好き!
 ルーカス大佐の夕渚くんもこんなにがっつり芝居を観たことはなかった気がしますが、ちょっとすっしぃさんの稚児風味もあったりくと違って(オイ)いい押し出しでいかにも武闘派な感じで、よかったです。
 あとは天飛くんのドン・ファン(天飛華音)ね、ホントええ声でいつでもなんでも上手いよねー頼れるよねー…もえこもまっぷーの稚児に見えたけど(もはや私の目がおかしかったのだとは承知しています)、ここもそうではなかったかなー…
 幻想の歌手は都優奈ちゃん、絶品。そして休演明けの茉莉那ふみちゃんがバレンシアーナの女Aでがっつり歌っていて、とても良きでした。
 エル・パティオの女将バルバラ(音咲いつき)のいーちゃんが要所を押さえ、フェルナンドのソネットに合わせて踊るマヌエラ(彩園ひな)には、最近めっきり私の推しの(顔が好き…!)彩園ちゃんが起用されていて嬉しかったです。あとはデルバレス家の執事の颯香凛くん、さすがの間合いの上手さ。ところでここのマルガリータの馬車のSEって前からありました…?
 ブレイクを待っているたけるんはマルコス(奏碧タケル)、うーん綺麗なだけだったかなー…
 やっぱりニンの合うまた違う座組で、もう少しだけ手を入れて、でもあとはまんまで、クラシカルな名作のひとつとして、私は再演を観たい演目です。


 ロマンチック・レビューの作・演出は岡田敬二。2020年に宝塚バウホールで上演された『パッション・ダムール』を再構築した作品。
 バウの感想はこちら
 ロマンチック・レビュー名場面集なので、最近型どおりになりすぎているきらいのある中詰めとかフィナーレとかがないような構成なのですが、十分楽しめて毎回秒で終わっていました。
 カーテン前のカチャのピンで始めるプロローグも素敵だし、ひっとんがよく反るし踊るし、かりんさんは水乃ちゃんと組んでるしでしゃーわせ。最初の間奏曲はもう一生分聞いたと思う「夢・アモール」なんだけど、反射で楽しく手拍子してしまう…ここはせおっち、かりんさん、天飛くん。
 続く「アディオス・パンパミーア」は水乃ちゃんを眺める他は私にとってはお休みタイムでしたが(ホントすんません…あと彩園ちゃん)、いやガウチョ・スタイルもいいよね。あと水乃ちゃんのスカートの振り方は本当に裾のフリルのラインがいつでも綺麗に出ていて、素晴らしかったです。
 再度間奏曲、ひっとんと天飛くんで「ロマンス!!」。天飛くんのこの薄紫のお衣装も宙組でよくよく見たよね…淑女の最下に乙華ちゃんがいるの、かーわー! 眺めていたらマジ秒で終わる。てかこのおぼうぼがいかにもロマンチック・レビュー!って感じです。
 そしてみんな大好き「愛の誘惑」、いわゆるバッドパワー場面です。パラダイスの歌手はかりんさん、緑の蛇のスパンコール衣装が似合ってこーいう鬘も似あっちゃって、好き!! バッパワのセンターはせおっちで、これがまたよかったなー! もちろんみきちぐとかも素晴らしいんですけど、なんせ雪全ツでやった咲ちゃんがだいぶスタイリッシュでおもしろくなくなっちゃってた記憶なので、これくらいキビキビがっつりやってほしい!とたぎりました。あとここのイブたちもホントみんなよかった! みらんちゃんがさらりと少女チックなロングの鬘なのも、乙華ちゃんが大人っぽく攻めているのもホントよかった!! もちろんひっとんの美脚も見たいのでホント目が足りませんでした!!!
 初日、さすがにかりんさんがここに後半からでも入ってくるのは尺が足りなかったか…と
しょんぼりしていたら、歌う男Aがありましたナゾの電車ごっこ振付(笑)のターンのどセンターです! しかも組む踊る女Aは天飛くんです、ありがとういい太腿です! ここ、娘役は水乃ちゃんと彩園ちゃんで観たいし御剣くんと飛翠くんの女装も観たいしでホントーに目が足りなかった…! てかここの設定はなんなの、朝水パイセンとはどういう関係なのあの握手はなんの握手なのもうたまらんハァハァ…と毎回タイヘンでした私が。イヤでもあんな黒スーツでバリッとセンターに立つスタァさんにすっかりなっていて、感涙ですよ…!
 次がまた一生分観た「ノスタルジア」ですが、何故かひっとんマチルドが歌うアリアが変更になっていましたね。何故…? そして後半も同じドレスで出てきていた、カチャのヴィットリオとせおっちセバスチャンは軽装になっているのに…てかこれはなんなの部屋着を表しているのつまり寝室での情事に踏み込まれたということなの? 暗転ののちの録音台詞の入りが毎度遅くて、事故かと不安になるのでとっとと流してほしい、と毎回祈る思いで観ていました。てーか戻って夜会の士官たち、あっきーポジションをまんまかりんさんがやっていて知っている航跡で、オペラグラスで追うのがたいそう楽でした!(笑)しかしここの早着替えは大変だったのでは…奥で濃い赤いドレスを着ていた乙華ちゃんもかーいかったー!
 ロケットはたけるんセンターでおいしい! 水乃ちゃんのお姉さんな微笑みがキュートで、彩園ちゃんがスタイル良くてうはうはで、みらんちゃんや乙華ちゃんにやに下がっていたらもう終わりますつらい。
「愛の歌」は名曲ですよね、そして荘厳とも言える場面に仕上がっていてとても美しきくて良きでした。ここも黒燕尾にいない…としょんぼりしていたらせおっちセンターの白燕尾場面が継いで始まって、うはうはでした。夕渚くんとさきっぽ、かりんさんと天飛くん。
 エトワールはひっとん。これがいいなと思ったのは、一度袖に引っ込んで、せおっちが降りてくるあたりでまた出てきてラインナップのポジションに着くので、ひっとんの「トップスターを迎えるために大急ぎでお辞儀して戻るトップ娘役」仕草を今回しなくてすむことです。あれはやはりこっちゃんに対してだけするものなの…みたいな。
 てかナイアガラこそないもののカチャは雉羽根つきの大羽根、かたくなに謎の片羽根や飾り羽根しか背負わせてもらってこなかったせおっちも綺麗な大羽根を背負わせてもらって、なんなのこの謎の大判振る舞いは…とはちょっとザワつきましたよね。全ツサービスったってこういう記号はそういうものではないと思うぞ…まあでもファンには嬉しいでしょう、おめでとうございました。


 福岡旅行(笑)は改めて楽しかったなー。てんちかはよくあるカフェくらいしかないけど、イナチカは楽しいフードコートで2日とも行くというお気に入りっぷりでした。福岡のお友達とも呑んで語れて、楽しかったです。
 福岡市民会館は、これももうすぐ改装なんだそうですね? 市川がホント椅子とトイレが大改善されたので、福岡もがんばっていただけると嬉しいです。ちょっと放射状で一階だけの客席はハコとしてはなかなかよかったのですが、なんせ椅子とトイレはアレなので…手前の公園も綺麗になったらまたゆっくりしに行きたいです。
 政府の感染対策が全然信じられないのでおっかなびっくりではありますが、それでも全ツで普段あまり行かないようなところに旅行がてら行くのは楽しいものなので、またいろいろな機会があるといいなと思っています。今回もせおっちの出身地・広島公演はとても盛り上がったそうですしね。そういうの、とても素敵だと思います。
 全ツは福岡で娘役さんに休演が出ちゃったけれど、みっつに別れた星組公演はすべて完走できて、本当によかったです。みんな少しは休めるのかな? そして『1789』、チケットのご縁に恵まれますように…! 貸切攻勢も始まって、いろいろ戻ってきたならめでたいんだけど観たいように観られないのは困るんじゃー…!!
 引き続き、清く正しく美しく朗らかな観劇ライフを送りたいと思っています。



 
コメント
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