駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

ふらり、ひっそり、ひとり。旅 その4/栃木県

2022年12月28日 | 日記
 前回の旅はこちら
 今回は2回目同様、完全に個人手配の旅でした。
 今年はクリスマス・イブとクリスマスが土日で、私はすでに観劇納めを済ませていてノー予定の丸二日間、でもアレコレ予定があるお友達は多いだろうからおうち鍋宴会とかの企画、お誘いもしづらい…と思い、近場に出かけるか!と検索したところ、土曜泊はさすがにお高いけれど日曜泊ならそうでもないし、仕事もほぼ納まっていて月曜を有休にできそうだし、最近は旅館でもおひとりさま客を歓迎していて二食付きの素敵プランがイロイロありそうじゃん、となんとなく感じ良さげに見えたところをポチッと予約したのでした。
 ちなみにまたしても行ったことのある県ですね、そもそも小学校の修学旅行が日光でした。入社して数年目に同期女子数人でグループ旅行に行った記憶もあるし、何かで鬼怒川ラインくだりもしたことがある気がします。東武特急スペーシアも初めてではないはず…ですが、なんせいろいろ忘れっぽい質なもので、アレコレ検索して手配してみました。
 お宿のチェックインは15時だったのですぐにも入りたかったのだけれど、いい特急の便がなくて、まずは日曜の昼過ぎに自宅を出発。北千住で東武に乗り換えたのですが、辺鄙な方の乗り換え改札に出たようで周りに何もなさすぎて、ちょっとホラーでした…改札に入ったら中はお店がたくさん入っていてむしろにぎやかで、ほっとしました。特急券と指定席だけ事前にネット予約しておいた、14時過ぎの「きぬ」に乗車。
 ところが指定車輌に入ったら、斜め奥で席を向かい合わせの四人掛けにして酒盛りしているおっちゃんおばちゃんグループが…! い、今どき…! 車内アナウンスでは席の回転禁止、と流れているのに…! しかも車掌さんも注意しない! なんなの、周りが不安で嫌な思いするじゃん!と思っていたらそのグループはすぐ次の駅で降りていきました。よかった…でも席を回転させて元に戻していかなかったお行儀の悪さに辟易。次から乗る予定の電車にすべて乗り遅れるがいい、と呪いをかけておきました。
 やっと静かで快適になって、周りの景色がどんどん開けてきて、霜が降りている田畑や雪景色になっている山並みが遠くに見え出して、旅情が出てきたところで夕まぐれの鬼怒川温泉駅に到着。曇天、粉雪、風が冷たい! すぐさまネックウォーマーと帽子をひっかぶる寒がりなワタクシ…
 サイトで見たところ送迎バスみたいなサービスがないようだったし、駅からホテル群を回るシャトルバスみたいなのがあるようでしたがちょっと離れたところにあるホテルのようだったので、タクシー乗り場に並んでみました。が、タクシーは全然、ほんっとに全然来ません。並んでいた家族連れも「…バスで行く?」「歩くか…」とどんどん脱落していき、あっという間に先頭になったところにやっと一台来てくれました…
 サイトでは徒歩8分、となっていましたが歩かず正解。中途半端な除雪の坂道をコロコロ引いてとぼとぼ歩くなんて無理、てか私の普段の健脚でもこんなの絶対8分で着かない、という道のりでしたが、無事にお宿に到着。お出迎えのお兄さんが小綺麗なロビーまでコロコロを運んでくれて、チェックインではとちぎ旅割のなんちゃら返金やらクーポンやらの説明もしていただけて、ラウンジでほうじ茶を一杯ふるまわれてからお部屋へ。
 部屋はお任せ、というプランでしたが、よくある広縁と前室のついた十二畳くらいの座敷に、廊下を挟んで立派なトイレと洗面所とお風呂場があり、さらにツインベッドが置かれた洋室がある、なんとも広々とした和洋室で、なんなら廊下がめっちゃ寒い(笑)。和室に布団を敷いてくれてもいいんだけど…とも思ったのですが夕食後も特にそうしたことはなく、洋室のエアコンを入れて廊下ごと暖めてベッドで寝ました。風呂上がりとかに座敷の布団に寝転んでくつろぐ、みたいなことができなかったのは残念だったかも。でもゴージャスな気分は味わえました。和室からの雪景色も素敵でした。
 和室の片隅に荷物を広げて陣地を作り、愛用のフェモネのガーゼタオルを持参してまずはひとっ風呂。事前の予習によれば露天風呂つき大浴場はふたつあって時間で男女入れ替え制、夕食前に一度入らないと両方は味わえないのでした。
 脱衣所は綺麗、そしてお風呂は洗い場の数も多く、普段はけっこう賑わうのかなと思いましたがこの日はガラガラ、露天風呂はほぼ貸切状態でした。檜風呂の香りが良くて、温泉は無色透明で熱めで快適。湯煙で星はよく見えませんでしたが、それとも曇っていたのかな…? 夕食後に入ったときには粉雪で、それも風情がありました。
 お風呂上がりにはラウンジで、雪のお庭を眺めながら鬼怒川温泉地ビールの小瓶をいただきました。クーポンで精算(笑)。お酒が飲めるようになってからもビールは苦いと敬遠していたお子ちゃまの私でしたが、最近味わえるようになってきたんですよねー…
 ちょっと遅めの時間にしてもらった夕食は、本当なら六人くらいがつけそうな長テーブルの半個室を独り占め。部屋番号と名前の札が置かれる歓迎っぷり。ツアーじゃないとバイキングじゃないし、ツアーでもバイキングでなかった旅行もあったけれど、とにかく個人手配の旅だと圧倒的に食事がいい!というのが今回の学びでした。旅行会社にお勤めのお友達に言ったら「そりゃそうよ、大きく削れるのってソコだもん」とあっさり言われましたが…
 いわゆる旅館の和食でしたが栃木の食材が盛りだくさんで、旅館の名前がついた冷酒を追加したらお猪口でなくいいサイズのグラスが来たのでさらにご機嫌になり、ゆっくりのんびり堪能してしまいました。せかすことのないサーブもちょうど良くて、実に快適でした。ごちそうさまでした。
 部屋で少し食休みしたあと、腹ごなしにもうひとっ風呂…と、入れ替わった大浴場へ。このときもやはりガラガラで、こちらの露天はやや深めで身体が浮く感じがなかなか快適で、雪見温泉を堪能しました。
 遠征で買ったのに飲みきれなかった赤ワインのハーフボトルなどを持ち込んできたのですが、もう満足だったので部屋飲みはせず、前回旅行記事のポメラ打ちなどして、早々に寝てしまいました。ああ、至福…
 翌朝月曜、有休。7時に起床して朝風呂。チラチラ粉雪が舞って見えるものの、明るく晴れ上がりそうな空でした。なので朝ごはん会場に行く前にロビーに寄って、東武ワールドスクウェアの前売り券を買ってチェックアウト後のタクシーを予約。
 8時半の朝ごはんが、昨日と同じ半個室で、今度は椅子がテーブルの反対側に置かれていて眺めが変わる気配りも憎い。そして旅館の和食朝ごはんってどうしてこう素敵なんでしょうね…たっぷりいただいて大満足。
 部屋に戻って歯磨きなどしていたら、フロントから電話が来て、なんとワールドスクウェアが一日降雪閉園なので前売り券は払い戻しするとのこと。なんと…! 実は行ったことがなくて、何人かから楽しいよと聞いていたので、ひとりでザクザク歩き回る気満々で来たのに…頑丈なブーツも履いてきたのに…空は晴れ渡っていましたが、昨夜降って積もった分の除雪ができていないということなのかもしれません。しかし入場券をネット予約しなくてよかった! ホテルで前売り券を買う方が割引率がよいとあったので、それに飛びついた自分のケチさを褒めたいです。いやネットでも取り消し、払い戻しはできたかもしれないけど…
 一日遊んで夕方のSL大樹に乗って帰京するつもりだったため、予約変更できるかサイトを覗いたところ、大丈夫のようだったので昼前の便に振り替えました。また、ホテルから駅まで送ってくれるとのことだったので、タクシーをキャンセル。チェックアウトでは乾燥の年越し蕎麦までいただきました、ありがとうございました。
 駅では少し時間があったので、早めにホームに入ってSLに引かれる客車を激写。さらに、奥の線路にいた機関車が移動して、こちらのホームまで入ってきて客車と連結されるまでをばっちり動画撮影。良き鉄分補給ができました。白雪の線路の上、青空の下でもくもくと煙を吐く蒸気機関車の映えることよ! まあ乗っちゃえばただのゆっくり走る列車でしたが(笑)、私には昔の横須賀線を思わせるようなややレトロなシートが楽しく、沿線のカメラ小僧や近隣住民の方々などが手を振ってくれるのも何やら嬉しく、下今市駅まで一時間に満たない乗車でしたが堪能しました。
 駅では次の特急「けごん」までの乗り換え時間の間に、倉庫に収まる機関車の転車なんかも眺められて、これまたうっとり堪能しました。
 駅弁買って特急に乗って、あとはすんなり北千住へ、そして最寄り駅から帰宅して、26時間ほどの温泉と鉄子のシンプルなプチプチ旅となりましたが、まあたまにはいいかな、と満足しました。ワールドスクウェアはいつかリベンジしたいです。


〈旅のお小遣い帳〉
一泊二食、入湯税込みホテル宿泊代 29300円(ここからとちぎ旅割で5000円引き、紙クーポン3000円分つき)
北千住までの乗車賃 168円×2(往復分)
きぬ、けごん特急料金 1470円×2(往復分)
北千住~鬼怒川温泉駅乗車賃 1390円×2(往復分)
シュークリーム 216円
タクシー代 800円
シートマスク(自分土産) 1650円
馬の箸置き(自分土産) 590円
ラウンジの地ビール 770円
夕食の冷酒 1650円
SL大樹 760円
駅弁 1300円
SL箸置き(お土産) 850円×2



コメント
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