駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

『アメリカン・ラプソディ』

2022年12月24日 | 観劇記/タイトルあ行
 座・高円寺、2022年12月22日19時。

 ジョージ・ガーシュイン(ピアノ/佐藤允彦)は1919年に「スワニー」が大ヒットして人気ソングライターとなる。20年代以降は作詞家となった兄アイラとともにレビューやミュージカルを多く送り出し…
 作/斎藤●、演出/佐藤信。15年を迎えるクリスマス・シーズンの「ピアノと物語」、全2幕。

 去年『ジョルジュ』を観たので、今年はこちらに出かけてみました。ケイ・スウィフトは島田歌穂、ヤッシャ・ハイフェッツが下総源太朗。ふたりの往復書簡が朗読され、「’S Wonderful」や「But Not For Me」が島田歌穂により歌われ、ピアニストは特に芝居をするわけではなくてガーシュインとして彼の、また同時代の人の楽曲を演奏する、お洒落なステージです。私はキキちゃんのガーシュインは観ていないのですが、あれもヒロインはケイだったのかな? 貧しいユダヤ人移民の出身で教養がなく音楽は独学で、そのことがコンプレックスでもあり、大衆に人気があっても評論家からは評価されず、毀誉褒貶のうちに早世した…というところだったのでしょうか。上流階級出身で夫も子もあるマダムなケイとは、敬意と友情も多分に込めた不倫関係にあった…ということなのかな。まあ、さもありなん、です。
『ジョルジュ』はショパンの音楽を扱いながらもジョルジュ・サンドの、オーロール・デュパンの物語も浮かび上がらせてくれたと思えたのだけれど、こちらはケイよりはガーシュインの人生に力点があった気がします。でも、好みや興味の差で見えてくるものが違うだけかな…
 島田歌穂は一幕は白のレーシーなドレス、二幕はデコルテを出した赤のベルベット地のドレスで、歌唱はもちろんとても素敵で大満足でした。下総さんもカーテンコールでは歌ってくれて、ピアノの再アンコールは「お正月」で、うきうきと観終えられた今年の観劇納めでした。

 

コメント
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