駒子の備忘録

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『ガラスの靴』~韓流侃々諤々リターンズ35

2022年02月23日 | 日記
 2002年SBS、全40話。

 とてもとてもベタな韓ドラです。離散家庭、交通事故、記憶喪失、難病、入れ替わり、取り違い、貧富の差、復讐、遺産争い…てんこ盛りです。演出もめっちゃベタ。でもある意味丁寧でとてもわかりやすく、そして迷走や謎ターンはなくて、手堅く気持ちの良い出来でした。
 ヒロイン姉妹はキム・ジホ演じるテヒとキム・ヒョンジュ演じるユニ/ソヌ。子役がまた大人パートを演じる役者とめっちゃ似ている子たちを揃えていてすごいんですけれど、姉妹が父親と三人して仲むつまじく、しかし赤貧洗うがごとしの生活をしているところから始まります。母親はユニを産んだときに亡くなっていて、以後はしっかり者の姉娘テヒが一家の主婦代わりになっていて、妹娘のユニはまだまだ子供でちょっときかん気にのびのび過ごしています。しかし実は姉妹の父親は結婚に反対されて実家と縁を切った、実は財閥の御曹司で…というようなお話。ハン・ジェソク演じるジェヒョクはテヒの祖父に恨みを抱いていて、復讐に利用しようとテヒに近づきます。ユニはその後交通事故に遭って記憶を失い、孤児ソヌとして事故を起こした男の家に引き取られて育つことになり、その家の娘スンヒ(キム・ミンソン)が入れあげている地元のヤンキー青年チョルンがソ・ジソプ。そして彼はソヌに惚れてしまい…という布陣です。テヒはジェヒョクが好きで、ジェヒョクとソヌが惹かれ合ってしまうので、四角関係じゃなくて一直線関係の構図ですね。
 個人的には、いろいろあってソヌがジェヒョクを振る形になったあとは、ジェヒョクはテヒに戻ってほしかったなとは思いました。その後のジェヒョクがやや未練がましくて、せつないというよりはカッコ悪いんですよね。それにジェヒョクはテヒの良き理解者で、いろいろと屈託はあったにしてもテヒの意地っ張りなところなんかもいじらしく思っていたはずなんですよ。だからソヌに感化されて祖父の復讐をやめようと思い出したあたりから、素直にテヒを愛すようになってもおかしくなかったと思うのです。だけどテヒの方は意地を張って素直になれず、つっぱらかっている…という構図にした方が、せつなくてよかったろうとは思いました。
 あと、チョルンは別に死なせなくてもよかったと思うんですよね…スンヒをどうにかしたいというのもあったのかもしれませんが、ちょっとお話都合でキャラクターとして可愛そうな気がしました。まあジェヒョクもアメリカに戻り、姉妹だけが残って、でも再出発を思わせておしまい…というのは美しくはあるんですが…私はジソプはこっちの系統の役よりクールでスマートでいけ好かないくらいのエリートキャラのときの方が好きなので、チョルン自体はどうでもいいっちゃいいんですけれど、ちょっとかわいそうに思えました。
 可愛そうといえばスンヒもそうで、確かにソヌの存在のせいでスポイルされた部分はあるんですよね。ソヌはソヌでそうやって生きるしかなかったところもあるんだけれど、ソヌの方が賢く優しくそつない娘に見えて、比較されて育ったスンヒはスネてグレる一方…というのはとてもありそうです。でもさすがにもういい加減いい大人なんだから、どこかで割り切ってほしかったですよね…どこかで、彼女をソヌと比べることをしない人と出会っていれば違ったんでしょうけれどねえ…韓ドラあるあるの悪役で憎たらしいくらいでイライラさせられて、でもやはりさすがにかわいそうではありました。
 ところでジェヒョクがアメリカから同伴した後輩が、完全にBLポジションで笑いました。この当時にすでにカフェインレスの飲み物を要求するいけ好かないキャラ、って演出されているところもすごいと感心しましたが、ジェヒョクの栄達を願って暴走しちゃうところがもう完全にラブありきの行動にしか見えませんでした。でもさすがに当時ノー自覚の演出だったと思うし、そこに萌えは置かれていませんでしたよね…イヤしかし濃かったわ。何故一緒にアメリカに戻らないのか不思議なくらいだったわ、そこからの蜜月だったろうに…(笑)超ツボでした。




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