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映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ミッドサマー(2019年)

2021-02-12 | 【み】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv69146/

 

以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。

 不慮の事故で家族を亡くした大学生のダニーは、スウェーデンの奥地で開かれる“90年に一度の祝祭”に、民俗学を研究する恋人や友人たち5人で訪れる。

 そこは太陽が沈まない“白夜”の村で、優しい住人が陽気に歌い、美しい花が咲き乱れる楽園のような場所だった。

 しかし、しだいに不穏な空気が漂い始め、ダニーは想像を絶する悪夢に襲われる。

=====ここまで。

 監督は、『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター。キャッチコピーは、「前代未聞の“フェスティバル・スリラー”」


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 昨年の公開時には「明るいホラー映画」などと言われていたようで、評判も上々みたいだったけど、劇場に行って見る気にまではならなかったのでした。……ま、コロナもありましたが、『ヘレディタリー/継承』が尻すぼみでガッカリしたってのもあって、しかも、また似たような匂いが感じられ、これはもういいや、、、と思ったのでした。

 ……そうはいっても、DVD化されると、やっぱり気になって見てしまい、そしてまた、ガッカリしたのでした、、、、ごーん。

(本作がお好きな方は以下お読みにならないでください。悪意はないけど、悪口になっていますので、、、)


◆“作り物”であることの意味。

 怖い怖いと言われている本作。見終わっての率直な心の声は「……? 怖がれなかった私って鑑賞能力低すぎるのか? がーん、、、」であった。確かに、ちょっとギョッとなるシーンは複数あったけど、怖いわけじゃない。ギョッとなるシーンが突如差し挟まれるってのが『ヘレディタリー~』と同じ。

 この監督は、何か“顔”に特殊な思い入れがあるのだろうか。最初に“ギョッとなるシーン”では、『ヘレディタリー~』でもそうだったけど、人間の顔が潰れるんだよね(比喩じゃなくてまんま)。しかも、本作ではその瞬間がモロに映るし、潰れた後の顔も、少し後のシーンでモロに(しかもかなりアップで)映る。なかなかのグロさではあるけど、ここまでやっちゃうと却って逆効果というか、私はいささか鼻白んだ。他のシーンでも、顔を傷つけるものがかなりあって、監督の思い入れというよりは、コンプレックスなのか、、、と感じてしまうほどだった。

 で、“不可解さ”が通奏低音として流れる中でストーリーは進み、これまた『ヘレディタリー~』同様、残忍な宗教的儀式でクライマックスという構成。その間、あちこちで監督はいろんな“仕掛け”をしており、そういうのをどれだけ鑑賞者が気付いたり見付けたりするか、ってのも鑑賞ポイントの一つになっている。

 見終わった人しか見ちゃいけない「観た人限定 完全解析ページ」なるものが公式HPにはあって、それを読んだけど、全部とは言わないが、その大半は正直なところ「……だから何だよ?」であり、本作がお好きな方には大変申し訳ないけれど、ここまでくるとほとんど制作側の独善だよね、、、と思っちゃう。

 ……いや、まあ、何だかんだ最後まで見たんだから、それは言い過ぎか。こういう、凝りに凝った作り込んだ映画が好きな人もいるだろうから、否定する気はないけど、同じことを2作続けてやるのは、ちょっとね。不可解なシーンのあれこれを、あのシーンのアレはどうだとか何とか、それこそ“解析”するのも楽しいんだろうけど、私が映画に求めるのはソコじゃない。

 言っちゃ悪いが、これまでさんざんホラーやスリラーでネタにされてきた“閉ざされた共同体”で起きる祀りという名目の“連続殺人”を、もったいつけて描いているだけでしょ? てこと。ちょっと知的好奇心をくすぐる作りにしてある辺りが、2作目ともなると鼻につく。『哭声/コクソン』(2016)みたいに、手垢のついた不可解さ満載でも、それをはるかに凌駕する破壊的なパワーで見る者を圧倒してくれるのであれば、それはそれで見て良かったと思えるのだけど、、、。

 日本じゃ、リアルで、しかも25年以上も前にオウム事件が起きているわけで、今さらこんな作り物見せられてもね、、、って感じだった。強いて新鮮さを感じたことと言えば、こういうジャンルなのに終始画面が明るいってことくらい。白夜を舞台にしていることで、時間の感覚が狂うってのは面白い、、、かな。

~~以下、結末に触れています。~~

 
◆この監督って、、、

 主人公のダニーは、この共同体の新しい女王になり、一緒に来た恋人クリスチャンを生け贄に差し出しちゃうわけだが、その理由は明確に説明されていないけど、まあ、彼に邪険にされたり裏切られたりしたから、、、ってことだろう。

 でも、、、大学生くらいの男子なんてあんなもんじゃないの? と思うんですけど。彼女が自分に依存的で、しょっちゅう電話してくれば「ウザいなぁ」と友人と話すことだって、そりゃあるだろう。好みの女性がいれば、「あのコとヤリたい」くらい言うだろう。彼女に言わずに、仲間と旅行に行く計画だって、そりゃ立てるだろう。

 しかし、アリ・アスター監督からすると、これらはダニーにとっては致命的な“裏切り”になるらしい。しかも、監督のインタビューによると、本作の脚本を書いたきっかけは、監督自身が恋人に振られたことがきっかけだったとか。それも、かなり監督にとっては辛いお別れだった様で、、、。自身の投影がダニーだそうだが、この話を読んで、ますます私はこの監督のことが嫌いになった。自分を裏切った相手を、“焼き殺す”んだからね。しかも、それを見ながら、ラストでダニーは満足そうな笑顔を見せるのだ。ダニーはあっち側に行っちゃった、ってことで、そうやってダニーにも制裁を加えてはいるものの、あの終盤のクリスチャンの殺し方はヒドすぎる。

 まあ、創造の世界は何でもアリだと思うから、こういうことをやるのは良しとして、それを臆面もなく世界に向けて公表するっていうその性質が嫌い。ソコは黙ってろよ、と思う。

 大体、クリスチャンは、ダニーが家族を亡くして悲嘆に暮れているときは、ひたすら抱きしめて側にいてくれたわけだし、旅行(地獄行きだったけど)にも一緒に連れて行ってくれたし、旅行中もとかくダニーを気には掛けてくれていたし、裏切ったのも、この狂った共同体でクスリ飲まされて強引にセックスさせられた、、、という成り行きなんだし、あんな殺し方されるようなロクデナシではないし、ロクデナシだとしてもあんな殺された方はあり得ない。

 フィクション、妄想、、、、だから、目くじらを立てるようなことじゃない。そーですよ、そりゃ。でも、私は、仮に自分の元カレが自分と別れた直後にこんな映画を作ったら、人間性を疑うね。そして、別れを選んだ自分を誉めるでしょう。

 

 

 

 

 


3作目も同じだったら、、、いや、その可能性高そう。
 

 

 


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コメント (2)
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