映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

ある日どこかで(1980年)

2019-01-23 | 【あ】



 WOWOWのあらすじからコピペです(一部加筆しています)。

=====ここから。

 1972年、演劇を学ぶ大学生リチャード(クリストファー・リーヴ)。見知らぬ老婦人が急に寄ってきて、彼女から古い懐中時計を渡され“帰ってきて”と囁かれるが、彼にはまったく訳が分からない。

 8年後、劇作家になったリチャードは、とあるホテルで、1912年に生きていたというエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)という女性の肖像画に一目惚れする。リチャードが調べると何とエリーズは、8年前に懐中時計を渡されたあの老婦人だった。

 リチャードがエリーズに会いたいと願うと、いつの間にか彼は1912年の世界に飛んでいて……。
 
=====ここまで。

 今まで知らなかったのですが、何でも、熱烈なファンがいる映画だそうです。ファンサイトまであるらしい、、、。
 
 
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 大分前にBSでオンエアしていたのを何気なく録画しておいて、ようやっと先日見た次第。録画した映画の中で、一番時間が短かったから、、、という理由だけで本作を選んで見ました、、、。


◆念力でタイムスリップ!

 まるで本作のことを知らずに見たのだけど、こんなぶっとびファンタジーラブロマンス映画だったとは、オドロキ。

 一番驚いたのは、何と言ってもリチャードがタイムスリップする手段が、ひたすら念じる、、、というもの。ううむ、なるほど。ヘンなマシンとかクスリとか使わないで、コストもかからず、それでいて意外に説得力もある感じ。 

 リチャードは、70年前のファッションに身を包み、ホテルの部屋の中からタイムスリップ先の年代にはふさわしくない現代的なもの(テレビとか)は一切排除し、ベッドに横になると目をギュッと閉じて、事前にテープレコーダーに自分で録音しておいた「時は1912年6月、、、心を無にして受け容れろ」とかなんとかナレーションを流し、汗だくになって念じる。……が、なかなか上手く行かない。

 このシーンを見ていて、なんでテレビは排除するのにテープレコーダーは手元に置いているのかね?? それも立派な現代的なものじゃないのか?? と思ったんだけど、案の定、上手く行かないのよね。で、リチャードは60年前の宿泊名簿をホテルの屋根裏で探し当て、そこに、エリーズの名前と、自分の名前を見つけ「やっぱりボクも60年前ここにいたんだ!!」となって、再び部屋に戻って、ようやくテープレコーダーの存在がマズイと気付いたのかベッドの下に隠して、ベッドに横たわり強く念じる、、、。

 ……と、ハイ、今度は見事タイムスリプ成功! というわけでした。

 あとは念願叶ってエリーズと出会い、あっという間に恋に落ち、愛し合って将来を誓い合い、幸せの絶頂で、ふとしたことから突然、リチャードだけ現代に連れ戻される。2人は強制的に時空を超えて引き離されてしまったのでした、、、ごーん。。。 「ふとしたこと」とは何かは敢えて書きません、ふふふ。一応、序盤にちゃんと伏線はあります。

 現代に戻されたリチャードは、廃人のようになって、(多分)死んでしまう。そして、あの世で、若く美しいエリーズと再会し、、、というラストシーン。

 いやぁ、、、少女漫画も真っ青なファンタジーラブロマンスでござんした。


◆美男美女だからこそ、、、

 とまあ、かなりシンプルなストーリーで、ツッコミ所も多いが、そんなツッコミは野暮と思えるほど突き抜けているから、却って清々しいとも言える。

 とは言っても、それなりに修羅場をくぐってきたオバサンとしては、やっぱり見ていてちょっと小っ恥ずかしくなるシーンもあり、、、。

 例えば、リチャードが無事タイムスリップし、エリーズに出会うまでのシーンとか、、、。明らかに浮いているダサダサファッションのリチャードが、あちこち訪ね歩いている姿は、まあ、クリストファー・リーブがいかに美男でもかなり滑稽。

 割と感動的なシーンとされている、エリーズが舞台上で台本にないセリフを言ってリチャードへの愛を語る場面も、こりゃちょっと恥ずかしい。いや、まあ、映画なんで良いんだけど、その愛のセリフを聞いているクリストファー・リーブの表情とか、、、、もう見てられない、、、すみません。

 コレはある意味、少女漫画よりも少女漫画な展開である。

 本作が「「カルト古典」映画としてコアなマニアによって好んで視聴され」などとwikiに書かれるのは、しかし、こういう少女漫画チックなところを照れずに突き抜けて描いているからではないかと思う。こんなシナリオ、今時コンクールに出したら一次審査も通らないと思うけど、逆に言えば、こんなシナリオは今時のプロを目指す素人は“書けない”はず。多分、今時は少女漫画でもここまでの激甘なファンタジックラブロマンスは絶滅危惧種なのでは?

 そしてまた、それをファンタジーとして、またラブロマンスとして強引に成立させてしまっているのは、何と言っても、主演のクリストファー・リーブとジェーン・シーモアの2人。この、キラキラな美男美女が繰り広げる悲恋物語だからこそ、見る者は切なくなるのであって、凡庸な容姿の男女が演じていたら目も当てられないはずだ。

 残念ながら、私はそこまで心動かされることはなかったけれど、コアなファンがいるのは何となく分かる。私は、なんだかんだ言っても、少女マンガの金字塔「キャンディ・キャンディ」のコアなファンなのだ。絶版となってしまったけれども(ちゃんと本は持っています。愛蔵版ですが)、この映画に負けず劣らずのラブロマンスもの。だから、本作を好きな人と、根底では通じるモノがあるんだろうと思う。まぁ、私が好きなのは、「キャンディ・キャンディ」というより、テリィなんですけどね。……ま、どーでも良いです。

 クリストファー・リーブは、やっぱり良い役者。こんな小っ恥ずかしい話なのに、素晴らしい演技で見事に世界観を体現している。何度も書くけど、やはりあの美形あっての本作である。

 ジェーン・シーモアの美しさも特筆事項。彼女の他の出演作を見ていないけど、そこまで絶世の美女というイメージはない女優さんだったけれど、本作での美しさは溜息モノである。現在のお写真をネットで見てしまって衝撃を受けたんだけど、ま、それも残酷な現実の一つってことですね、、、がーん。
  
 2人の恋路を何かと邪魔するウィリアム・ロビンソンを演じたクリストファー・プラマーが、なかなかカッコ良かった。最近のクリストファー・プラマーはすっかりお爺さんで、トラップ大佐とあんまし結びつかないけど、本作の彼は今のクリストファー・プラマーに通じる感じがある。まあ、同一人物なんだから当たり前だけど。トラップ大佐もカッコ良いけど、本作のウィリアムもなかなかでした。








私も念じればタイムスリップしてテリィに会いに行けるのか? ……あ、あれは漫画か。




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