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「慶應四年日録/徳元」を読む 11

散歩道の多肉植物エケベリア「七福神」

昨日、台風2号で梅雨前線が刺激されて、荒れた天気、太平洋沿岸のあちこちで線状降水帯が観測されて、洪水や山崩れが起きている。幸い当地は被害はなく済んだ。コロナが終焉を迎え、少し気が緩んだこの頃であるが、今年は天候面で賑やかな年になりそうな予感がする。

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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。 

  廿八日  晴朗
出勤。会所にて年頭振舞いの義、助郷惣代衆よりも頼みこれ有り。就
いては、朔日、会席仕りたき旨、申し参り候。一昨日、強壮人取締り、取極め印形取り
たき心得の処、一作殿、新開の義に付出張
(でば)り、留守宅の由に候えども、兼ねて、談じ
置き候義に付、伝左衛門殿へ問い合わせ候。硝土取り、不束
(ふつつか)の申し分これ有る由に付、
※ 硝土(しょうど)➜ 硝酸カリウムを含んだ土。染料、肥料など、製造に窒素が必要な製品の原料として、昔から用いられてきた。特に酸化剤(爆発時の酸素源)として黒色火薬の製造に必須の火薬材料で、黒色火薬が唯一の銃砲用火薬であった時代には、重要な戦略物資であった。
呼び寄せ、談示方致し候由、傳左衛門殿、拙宅へ参り候処、右は一作留守の
義、殊には皆済未進、談示旁
(かたがた)、御内話申したく候間、何れ明日にも
(その)積り。姥の懐にて杉木壱本伐る。

  廿九日  曇り、雨、晴れ、不斉(そろわず)
新左衛門参り、年頭振舞
(ふるまい)の義、助郷惣代も是非朔日に致したく
候間、左様廻状差し出し呉れ候様、これを頼む処、最早明日に相成り候義に付、
一作殿も昨夜帰宅これ無く、依っては、態々
(わざわざ)問い合わせ致すべき様、申し遣わし候。
追って、一作帰宅の由に候えども、傳左衛門殿、打ち合わせ候、組親印形義は明後二日致し、皆済未進
の義は、追って前広(まえびろ)に致し候積り。
※ 前広に(まえびろに)➜ あらかじめ。前もって。
強壮人取締の義は、会所にて印形取り候積り。
(つづく)
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