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「温泉文学論」を読んだよ!

(雲が北西から南東にせわしく動く- “日向ぼっこ書斎” より)

「楊貴子」さんから書き込みがあった。最近、「温泉文学論」という本を購入し、志賀直哉の「城の埼にて」が取り上げられているのを読み、このブログの書き込みで「城崎温泉 力餅」さんとのやり取りを思い出して書き込んでくれた。「楊貴子」さんと、「城崎温泉 力餅」さんとは、故郷の高校時代の同級生である。

さっそく昨日、浜松に出た際に「温泉文学論」を買ってきた。今日はお天気も回復して、外へ出るのは寒いけれど、日向ぼっこ書斎は暖かくて最高だった。早速、「温泉文学論」を読書に及んだが、薄いカーテンを引かないと暑いほどの日差しであった。折りしも北国では吹雪に荒れた一日で、テレビでは台風並みの風に風力発電の風車が壊れたと報道していた。

色々な日帰り温泉に入るのを趣味にして、すでに40湯を数える。もちろん同じところへは何度行っても一湯にしか数えない。地域的には静岡県が主で、愛知県と山梨県が続く。静岡県で最も温泉が集中しているのは伊豆であるが、車で行ってもけっこう時間が掛かるから、伊豆にはまだ一湯を記しただけである。

「城崎温泉 力餅」さんは温泉の真ん中に住んでいるようなもの。城崎温泉は外湯巡りが名物で、町内各所に銭湯のような温泉施設が点在している。「温泉文学論」から拾うと「一の湯」「御所の湯」「まんだら湯」「地蔵湯」「鴻の湯」「柳湯」「さとの湯」と7湯ある。子供の頃は別にして、最近では駅前の「さとの湯」だけは入った。ところで、昔から外湯は7湯だったのだろうか。駅前の「さとの湯」は無かったように思うが。話は変わるが、「楊貴子」さんの住む大阪近辺にも日帰り温泉はたくさんあるのだろうか。今日のような寒い日に温泉に行って来ようと出かけると、どの辺りに行くことになるのだろう。

昔「城の崎にて」を読んで、志賀直哉が城崎温泉に来た理由が怪我の傷を癒すためだったことは知っていたが、こともあろうに山手線に跳ねられた怪我だったことは初めて知った。山手線に跳ねられて怪我で済むなんて夢のような話ではないか。

温泉にたびたび行くようになって、著者のように文学論を展開するつもりはなかったが、文学に出てくる温泉入浴の描写を少し集めてみようかと思っていた。温泉の描写で思い浮かぶのは、「坊ちゃん」の泳ぐシーン。翌日「温泉で泳いではいかんぞなもし」と書かれる。「伊豆の踊子」で、対岸の温泉から裸でいることを忘れてこちらに手を振る踊り子。「草枕」で浴場の湯気の中で幻のように浮かぶ女の姿など。読み直したわけではないから、正確ではないかも知れないが、自分の脳裡にはそんなイメージが残っている。

気が付いたら、「温泉文学論」の新書本を持ったまま、日向ぼっこ書斎で午睡の中にいた。
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