平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
「慶應四年日録/徳元」を読む 75
ススキに溢れた大代川
昨日、散歩で大代川の休憩所で、会社の後輩だったM君に会った。近くに住みながら、何年振りだろう。休憩所はM君のボランティアグループが作ってくれたもののようだ。昨日は、花壇の水やりを一人でやっていた。休憩所は有難く、散歩のゴール近くにここへ寄り、一休みする習慣が出来た。同行の女房を先へ返し、M君と会社の同僚だった人達の消息など、暗くなるまで話した。
今日の散歩では、女房の同級生がやっている、リンゴ園に立ち寄り、ちょいキズのリンゴを一袋買って帰った。
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「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。
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七日 雨、曇り
帰宅致す前、儀兵衛殿願いの義は、積りに相成り、宿方一同の方にて、由比宿
よりも詫び書き差し出し候はず。もっとも、紺屋町公事方、坂田芳助様
よりも、丸子宿年寄四平へ扱い申し付け候に付、談事の上。
八日 曇り、雨
休息致し候処、同勤宇助殿、昨夜死去、今日葬送の由に付、悔(くや)みに
出づ。同勤の義に付、上下(かみしも)着用、相願いたき旨に付、上下にて葬送致し候。稲虫(いなむし)送りに付、罷り出で候。
※ 稲虫(いなむし)➜ 稲の害虫の総称。チョウ、ガ類の幼虫、ウンカ、ヨコバイ類、バッタ類など種類が多い。
※ 稲虫送り(いなむしおくり)➜ 虫おくり。稲の害虫を追い払う呪術行事。たいまつをともしたり、実盛とよぶわら人形を担いだりして、鉦・太鼓をたたいてはやし、村境まで送って行く。
昨夜、七倍五割増、宿助郷割合方の義、松村忠四郎様御役所より仰せ渡され
の趣、品川宿よりも請印帳相廻り候処、右の当最寄(もより)六ヶ宿、太政官へ
御伺い済み。先般、仰せ渡されの義これ有り候間、如何(いかが)に存じ、
請書仕らず。出役先へその段申し遣わし候。今晩。稲虫送り致し候。
九日 雨、坤風(ひつじさるかぜ)、晴れ
※ 坤風(ひつじさるかぜ)➜ 南西の風。
地方(じかた)出会、相談の義は、当夏自普請(じぶしん)、捨石繕(つくろい)、その外の処、
※ 自普請(じぶしん)➜江戸時代の普請形態の一。農民が費用をだして堤防の築造・修理、橋梁の掛替などを行うこと。
※ 捨石(すていし)➜ 堤防、橋脚などの工事で、水底に基礎を造り、堤防の崩壊を防ぎ、また水勢をそぐために水中に投入する石。
相談の上、見積り、請負人へ相渡し候積り。昼より出勤。六月十五日迠、
日締め帳仕訳当り、一酒。今晩、母横砂へ出づ。妻も観音様へ参詣に
遣わし候。宿方にて一同一酒の節、扇子屋宇兵衛へふとん、肝煎(きもいり)
方相頼み候。
※ 肝煎(きもいり)➜ あれこれ世話をすること。斡旋(あっせん)すること。
(つづく)
読書:「強奪 八丁堀「鬼彦組」組激闘篇 」 鳥羽亮 著
読書:「ぼんぼん彩句」 宮部みゆき 著
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