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「水濃徃方」の解読 12


(静居寺の黄色のツツジ)

神戸在住の甥のA氏が、今、下田にいるので、明日我が家に来たいとラインで連絡があった。OKの返事をしたが、2時間ほど経ってしまい、通じたかどうか気になる。(今、返信があって、通じたようだ)

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「水濃徃方」の解読を続ける 。

お身が頭(かしら)字、忠の字は、その心人の為に謀(はか)りて忠(まめ)ならずやと、論語にあるも、まめに告(つげ)てよく導(みちび)くと云う事も、口まめな事では無い。如才(じょさい)のうしてやる事。忠心、忠義、主持(しゅうもち)ばかりの事ならず。あたり近所に憎まれては、市(いち)の中でも一ツ家同前、木綿屋がよい戒(いまし)め、災(わざわ)い必ず少々の事でないぞや。
※ 人の為に謀りて忠ならずや ➜ 論語「曾子曰、吾日三省吾身、為人謀而不忠乎。与朋友而交不信乎、伝不習乎。」読み下し「曾子曰く、吾れ日に吾が身を三省す、人の為に謀りて忠ならざるか。朋友と交わりて信ならざるか、習わざるを伝えしか、と。」
※ 如才ない(じょさいない)➜ 気がきいていて、抜かりがない。
※ 主持(しゅうもち)➜ 主人や主君に仕える身分。また、その人。

さて、その次は酒樽の金兵衛殿で申そうなら、こなたの病は酒なれど、上戸(じょうご)はおかしく罪ゆるさるゝ時もあるが、呑まる時のふところ手が、得手(えて)、陶淵明と云えば、こなたの様な左り利き。底抜けの様にいえど、人生は勤(つと)むるにあり、勤むる時は(とぼ)しからずと。国語を用いて詩を作り、挊(かせぎ)のわりも知った人。
※ 上戸(じょうご)➜ 酒の好きな人。また、酒が好きで、たくさん飲める人。酒飲み。
※ 得手物(えてもの)➜ 相手がそれと了解できるものをさしていう語。例の所。例の物。例の人。
※ 底抜け(そこぬけ)➜「底抜け上戸」の略。非常な大酒飲み。酒豪。
※ 匱しからず(とぼしからず)➜ 足らないことはない。十分である。

そこのくりやったは弓矢破魔。お武家方は格別、町人の家で算盤(そろばん)ならぬ弓矢は如何がと思うたりや。ある物知りの咄(はな)しには、二百年跡までは乱世が続きて、大平の時と云うがあって、この広い世界に軍(いくさ)と云うものは無い時もあるげな。虚言(うそ)らしい事じゃと云うくらい、その様な目に逢いたいと待った衆は逢(あ)わいで、調度の時を狙(ねろ)うて生れた、そちやおれは、まあ、こげな方ではない。
※ くりやった ➜ 人が自分に、または自分の側の者にものを与える。頂いた。
(「水濃徃方」つづく)

読書:「悲恋の太刀 はぐれ長屋の用心棒 36」 鳥羽亮 著
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