平成18年に60歳を迎える。六十と縦に書くと傘に鍋蓋(亠)を載せた形である。で、「かさぶた(六十)日録」
かさぶた日録
コウノトリ、故郷の空を飛ぶ
二日目は兄貴の運転でドライブに出かけた。豊岡といえば、まずは何をおいてもコウノトリである。郊外のコウノトリの郷公園にコウノトリに会いに行った。ここを訪れるのは3度目であろうか。しかし今回は今までとは少し違った。昨年の秋にコウノトリを自然に帰すべく放鳥して、はじめて訪れるコウノトリの郷公園である。
市立のコウノトリ文化館に入り、兄貴が受付で声をかけると女性館員が案内してくれた。この女性は兄貴が校長として最後の赴任校であった、市内の中学校のPTAの役員だった人で、特別に案内してくれた。
懐かしい但馬の訛りのある案内だった。大方は何度も聞いたり読んだりした話だった。その中の新情報の1つに、天井のない柵の中に入れているコウノトリは羽が切ってあるが、この羽根は一ヶ月ほどで生え変わるため、繰り返し切っておく必要がある。いわば散髪するようなものと説明があった。
さらに、足にはめた複数の輪っかで個体の識別をしており、ペアリングの際に血が濃くならないようにコントロールをしている。現在日本で動物園に飼われているすべてのコウノトリにもこの輪っかがはめてあって、個々のコウノトリの血統が判るという。
今、コウノトリの郷公園近くには、自然に飛んでいるコウノトリが9羽いる。昨年放鳥された5羽に、今年羽根を切られた番いから生まれた2羽、さらに他から飛んできてすみついた八五郎と、8月初めに新たに飛んできた一羽の計9羽である。
公園の悩みは放鳥したコウノトリ(中でも幼鳥の2羽)がいつまでも公園内の餌場を離れず、幼鳥はゲージの中の親鳥から餌を貰ったりしていて、せっかく放鳥しても自立をしていかない点であるという。餌場を閉鎖したり、親鳥を引き離したり、色々対策を考えているようだ。
最後に、外に原寸大に作られたコウノトリの巣があり、乗れるようになっているから自由に乗って、コウノトリの気持になってみて下さいと結んだ。外へ出て、下の娘夫婦はさっそく巣に乗って、写真を撮ってもらっている。コウノトリ文化館脇の公開餌場には10羽近くのコウノトリが、アオサギやシロサギと一緒に餌をつついていた。
その時、一羽コウノトリが飛立った。低空非行で飛んで300mほど離れた田圃の中に降り立った。遠めに見るとそこには他にも1、2羽いるように見えた。近い将来、自然に舞い飛ぶコウノトリが増え、飛ぶ姿が普通に見れるようになるだろう。
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