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「家忠日記 六」を読む 35

(流れが戻った大代川)

昨夜から少し雨が降り、大代川に流れが戻った。雨の降りそうな空に、気温が一気に下がり、酷暑の続く西日本よりも、8~10度ほど低い。まるで避暑地にいるような天気である。午前中、女房の在所に墓参り。といっても車で5分も走れば着く。

「家忠日記 六」の解読を続ける。今日で「家忠日記 六」も読み終える。残るは「家忠日記 七」一冊であるが、家忠日記もいささか飽きた。気分を変えて、他のものを読もうと思う。「家忠日記 七」は、しばらく間を置いてから読もう。

 天正廿年(1592)辰六月
六日 甲午 雨降り。鵜殿八郎三郎、煩い大事に候由、申し来り候。
      また堀川より、早々越し候て見舞い候への由候。
七日 乙未 鵜殿八郎三郎、夕、死去候由、申し来り候。
      初ぶり、八日市場候。
※ 鵜殿八郎三郎 - 家忠妹、おさちの夫。
八日 丙申 八郎三郎弔いて、堀川へ越し候。村雨降る。
九日 丁酉 雨降り。
十日 戊戌 雨降り。

十一日己亥 朝、雨降る。子供部屋作る。
      鵜八郎三、形見、金貝(あぶみ)、杉たての袴、越し候。
※ 金貝(かながい)-金、銀、錫、鉛など金属薄片を漆面にはりつけた蒔絵。ここでは鐙。
十二日庚子 会下へ参り候。雨降り。三里やい火(灸)候。
      鵜八郎三、跡職の儀に、内記江戸へ遣し候。
※ 三里(さんり)- 足三里。膝の皿の下のくぼみから指4本分下の向うずねの外側。灸のツボで、胃腸障害、足の障害、歯痛などに効き、夏バテ防止などにも効果がある。
十三日辛丑 雨降り。土用に入る。上総知行より、年貢越し候。
十四日壬寅 初さゝげ、修理孫左衛門。
十五日癸卯 教伝にて、持ち寄り連歌候。十郎左衛門。
      発句             家忠
      山遠く 見てさえ涼し 滝津波

十六日甲辰 会下へ参り候。竹谷松平久弥助、死去候由候。
      初‥‥喜平所より越し候。江戸より内記帰り候。下殿跡職の儀‥‥
十七日乙巳 
十八日丙午 教伝所にて、持寄連歌候。半左衛門。
      夕立。
      発句             家忠
      空に近き 秋や川上 飛びほたか
十九日丁未 外屋敷に竹植えさせ候。
廿日 戊申 中間、矢作領にて人をかどへ売り候を、張りに掛け候。

廿一日己酉 教伝にて、持ち寄り連歌候。九七。
      発句             定広
      また宵の 月が明け行く 夏の空
廿二日庚戌 会下へ参り候。下鵜殿八郎三郎衆、知行分け候。
      十三郎煩い候由、申し来り候。
廿三日辛亥 十三郎煩い見舞に、六左衛門越し候。
      下衆知行分け済み候て帰り候。
廿四日壬子 教傳、十三郎見舞に越し候。
廿五日癸丑 当社(やしろ)にて、連歌候。神領田壱反付け候。
      発句
      神や植えし 清く涼しき 庭の松  正作
      夕たつ風になびく しらゆう    家忠
※ しらゆう(白木綿)- 白色のもめん。

廿六日甲寅 
廿七日乙卯 
廿八日丙辰 ‥‥ 渡り候。
廿九日丁巳 十三郎煩い能く候由、六左衛門帰り候。
      江戸より来月五日に普請始め候て、越し候えの由、文参り候。
晦日 戊午 家中女房衆、振る舞い候。


以上で、「家忠日記 六」終り。
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