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「雲渓庵日記」の解読 1


(大雨の静岡駅前)

午後、大雨の中、駿河古文書会で静岡へ行く。

今日から、「雲渓庵日記」という古文書を読む。誰がどういう目的で書いた古文書なのか、事前の知識は何もない。読んで行って知ろうと思う。書いた時期は、「明治元年より」とある。何も調べずに読み進めよう。

ところが、字が小さく、癖があるので、中々解読に時間が掛かりそうで、初めは読めないところを「■■■」と表示して、保留して進む。字の癖が理解できれば、その「■■■」も徐々に埋まってくると思う。つまり、保留した所は判り次第埋めて行く積りである。どんな解読でも同じ方法を用い、日を置き、先へ進むと、保留した部分は答えが見えてくるものである。「雲渓庵日記」はぶっつけ本番になるので、そんな方法を取る。

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「雲渓庵日記」の解読を始める。 

雲渓庵日記 明治元年

明治辛辰年より、
七月廿四日、次郎八殿御渡
      大目付、御目付へ
この程、御暇(ひま)相願候者ども、不愍(ふびん)には思し召し候えども、止めさせられず、その者らに任せ、御暇下され候。依っては、尓後(じご)、生計(せいけい)のため、農工商に罷り成り候者もこれ有るべし。右は差し集めて、鎮台府へ御伺い相成り候処、農工商に相成り候上は、その府縣、又は裁判所にて御支配これ有る趣(おもむき)、御沙汰候間、御暇相願候面々、農工商に相成りたき者は、何れの市町、何れの郡村へ転移、産(さん)営み候儀、元・既支配へ申し立つべし。既支配に於いては、御留守居申す侭(まま)、不都合の筋これ無き様、取扱遣し申すべく候。尤、浪人の名義は相成らざる趣、御沙汰に候。且つこの度、御暇相成候とも、役々(やくやく)明らかにこれ有り候えば、承り、召し返しの儀もこれ有るべく候条、この段、兼ねて相心得、罷り在るべく候。
右の趣、御家来中へ洩れなき様、相触れらべく候。
※ 尓後(じご)➜ 爾後。こののち。以後。
※ 転移(てんい)➜ 場所が他にうつること。また、場所をうつすこと。移転。
※ 役々(やくやく)➜ それぞれの役目。めいめいの分担の役。
(「雲渓庵日記」の解読つづく)

読書:「妖かしの蜘蛛 無言殺剣 7」 鈴木英治 著
読書:「眠れない凶四郎(五) 耳袋秘帖」 風野真知雄 著
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