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「慶應四年日録/徳元」を読む 65

大代川土手のキクイモの花
暑くて止めていた夕方の散歩を始めた
ヒガンバナも盛りを過ぎて
大代川で目立つ花はキクイモの花

「慶應四年日録/徳元」の解読を続ける。

  廿一日  曇り、晴れ
風気(風邪)にて引き籠り罷り在り候。然る処、儀兵衛殿来り、親類、渡辺国蔵
の義に付、談示これ有り候処、両々種々の意味合いもこれ有り候処、今般、
※ 両々種々(りょうりょうしゅじゅ)➜ あれこれ、いろいろ。
酒造株書替の義に付、御役所へ罷り出で候に付、右は人別(にんべつ)外の者
※ 人別(にんべつ)➜ 人別帳。江戸時代、人別改の帳簿。
の廉(かど)を以って、右所払い(ところばらい)致したき旨、出願致したき由。
※ 所払い(ところばらい)➜ 江戸時代の追放刑の一種。居住の町村から追放し、立入りを禁止する軽罰。
然る処、この間中、病人気類(きるい)役ども、少なく無きの処、
※ 気類(きるい)➜ 似かよった仲間。また、気のあう友。
殊に、大御通行も差し控え罷り在り候を、頓着致さず、自ら宿を明け候わば、
※ 頓着(とんちゃく)➜ 深く心に掛けること。関心をもつこと。
御当人は勿論、差し添えなどまでも、罷り出でず候ては相成らず。これにより
延日致し、同役皆な勤めの節に致し候ても、遅からざる義にこれ有るべき旨、
愚意(ぐい)申し談じ置き候。先日、林助、裁判所行の処、御廃止に相成り候由
※ 愚意(ぐい)➜ おろかな考え。 多く、自分の考えをへりくだっていう語。
に付、帰宿の由。右出願旁(かたがた)に付、印形相渡し遣わし候所、今日
相廻り申し候。
横砂権左衛門殿家内参り、もっとも洞兵方へ病気見舞の由。
(つづく)

読書:「鷹の爪 おっとり聖四郎事件控 5」 井川香四郎 著
読書:「妻恋日記 取次屋栄三」 岡本さとる 著
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